裁判さいばん員いんの経験けいけん者しゃと弁護士べんごしでつくる団体だんたいなどが開ひらいたシンポジウムでは、57年ねん前まえに静岡しずおか県けんで一家いっか4人にんが殺害さつがいされた事件じけんで死刑しけいが確定かくていした袴田はかまだ巌いわおさんの再審さいしん＝裁判さいばんのやり直やりなおしが決きまったことを題材だいざいに、えん罪えんざいをどう防ふせぐか意見いけんが交かわされました。

裁判さいばん員いん制度せいどに関にかんする提言ていげんを行おこなっている市民しみんグループの大城おおしろ聡さとし弁護士べんごしは「市民しみんには多様たような視点してんで、より慎重しんちょうに事件じけんを見みることが求もとめられている。えん罪えんざいを生うまないために市民しみんがいるということを大事だいじにしてほしい」と話はなしていました。

また、無罪むざいか死刑しけいかが争あらそわれた放火ほうか殺人さつじん事件じけんの裁判さいばんで、補充ほじゅう裁判さいばん員いんを務つとめた男性だんせいは「証拠しょうこについて、とことん議論ぎろんし、わずかでも疑問ぎもんが残のこったら無罪むざいにすることを守まもらないと、市民しみんがえん罪えんざいに関かかわるおそれがあると思おもう」と意見いけんを述のべました。

袴田はかまだ巌いわおさんの姉あねのひで子ひでこさんもビデオメッセージを寄よせ、「捜査そうさ機関きかんの見立みたてに世間せけんが同調どうちょうすることで自然しぜんにえん罪えんざいが生うまれるのだと思おもう。真実しんじつをきちんと調しらべてもらいたい」と訴うったえました。

2009年ねん5月つきに制度せいどが始はじまってから、裁判さいばん員いんと補充ほじゅう裁判さいばん員いんを務つとめた人ひとは、ことし2月つき末まつまでに合あわせて11万まん人にんにのぼり、ことしからは、新あらたに18歳さいと19歳さいにも対象たいしょうが広ひろがりました。

参加さんかした大学生だいがくせいは「えん罪えんざいは縁遠えんどおいことだと思おもっていたが、自分じぶん事ごととして捉とらえる必要ひつようがあると感かんじた」と話はなしていました。