「このテクノロジーには、私わたしたちの世界せかいや生活せいかつを根底こんていから覆くつがえし、私わたしたち自身じしんの能力のうりょくを置おき換かえるような、あらかじめ与あたえられた権利けんりのようなものはないのです。テクノロジーには、私わたしたちを置おき換かえるのではなく、私わたしたちを補強ほきょうするものであってほしいと思おもっています」

ラフル・ロイ=チャウダリは2年前ねんまえにGoogle（グーグル）を退職たいしょくし、Grammarly（グラマリー）のグローバル製品責任者せいひんせきにんしゃとなった。そして先月せんげつ、Grammarlyの最新製品さいしんせいひん「GrammarlyGO」がリリースされると同時どうじに彼かれはCEOに就任しゅうにんした。このGrammarlyGOは生成型なませいけいAI（人工知能じんこうちのうにより新あらたな情報じょうほうやアイデアを自動生成じどうせいせいする技術ぎじゅつ）を活用かつようし、ユーザーが文章ぶんしょうを書かくだけでなくアイデアを思おもいつき、構成こうせいする作業さぎょうを支援しえんする幅広はばひろいサービスを提供ていきょうする。彼かれは「私わたしたちは今いま、コミュニケーションの全ぜんライフサイクルをサポートすることができようになりました」という。

しかし、Grammarlyのサービスを拡大かくだいするために活用かつようされたこのテクノロジー自体じたいが、逆ぎゃくにそれ自身じしんを破壊はかいする可能性かのうせいもある。新あらたなサービス群ぐんに組くみ込こまれているのは、Microsoft（マイクロソフト）のAzure（アジュール）で動作どうさするOpenAIのGPT-3.5モデルだ。現在多げんざいおおくの人ひとびと々が文章ぶんしょうの作成さくせいや修正しゅうせいのための選択肢せんたくしとしてChatGPTに注目ちゅうもくしているが、Grammarlyの新しんCEOはそれを心配しんぱいしている様子ようすはない。