その大半は、死亡したか行方が分からなくなっている可能性が高いと分析したうえで、「ロシアの公式発表には偽情報が横行していることを浮き彫りにしている」と指摘しています。
この攻撃を受けたあと、ロシア国防省は今月8日、同じドネツク州のウクライナ側の拠点にある兵舎を攻撃し600人以上を殺害したと主張しましたが、ウクライナ側は「ロシアの情報操作だ」と強く否定したほか、ロシアの軍事ジャーナリストからも疑問を呈するSNSの投稿が相次ぎました。
この攻撃をめぐって、ウクライナ空軍のイグナト報道官は27日、ロシア軍が極超音速ミサイル「キンジャール」も使ったと地元メディアに明らかにしました。 キーウや南部ザポリージャ州の重要インフラが標的だったとしたうえで、今のウクライナ軍には「キンジャール」を迎撃する能力がないという認識を示しました。 また、ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は、メディアのインタビューで、ロシアが軍事侵攻を始めて1年になる来月24日までに東部ドンバス全域の掌握をねらって再び大規模な攻撃を仕掛けてくるとみて警戒を強めています。
こうした中、学校では子どもたちの安全を確保しながら教育を続ける取り組みが進められています。5歳から17歳までのおよそ150人が学ぶキーウ市内の私立学校では、防空警報が出た際でも授業が続けられるよう地下にある更衣室などのスペースをシェルターとして活用し、机を配置して教室として使えるようにしました。また、避難が長期化した場合に備えて食料や水を備蓄しています。さらに防空警報が発令された際、避難を呼びかけるために、子どもたちにもなじみのあるウクライナの音楽を流し、子どもたちの心への負担を軽減させようと取り組んでいます。 この日も教室では前日の攻撃を受けて、子どもたちに避難の際には慌てずに列をつくり教科書など必要な物だけを持って移動するよう呼びかけ、避難の手順を改めて確認していました。 ミハイロ・アロヒン校長は「戦争は悲惨で、各地でウクライナ人が亡くなっていることに心が痛みます。将来のためにも教育は重要なので、私たちは戦時中でも子どもたちのために教育を続けます」と話していました。
これに先立ち、ラトビア政府はロシアとの外交関係を格下げして、ロシアの大使を首都リガから退去させると表明していました。 バルト三国では、エストニアが23日、ロシア外務省からモスクワに駐在する大使の退去を求める通知を受けて首都タリンからロシアの大使を退去させると発表していて、ラトビア政府はエストニアへの連帯を示すとしていました。 ロシア外務省は「バルト三国の連帯といった主張は受け入れられない。ラトビア側による外交関係の格下げという挑発行為の帰結だ」として対抗措置であることを強調しています。 このほかリトアニアとロシアも去年4月、互いの大使を国外退去としていて、外交関係が格下げされています。
訓練の詳しい場所や内容は発表していません。 また、戦車「チャレンジャー2」を供与するイギリスも、26日、国防省の高官が来週30日からイギリス国内でウクライナ軍の兵士に対して、戦車の操縦や整備についての訓練を開始する見通しを示しました。 ドイツ・イギリス両政府ともに戦車は3月末にもウクライナに届くとしています。
しかし、イギリス国防省は27日、ウクライナ東部や南部でロシア軍が前進したとする情報がここ数日、ロシア側から相次いで発信されていると指摘した上で「実際にロシア軍が何らかの実質的な前進を果たした可能性は非常に低く、軍が勢いを維持していると見せるために誤った情報をわざと広めている可能性がある」と分析しています。 またウクライナ軍の報道担当者も27日、ウクライナの国営通信を通じて「敵は結局、損害を被って撤退した。控えめに言っても、ロシア側は成果を誇張している」と述べ、ロシア側の発表を否定しています。
ロシア軍 極超音速ミサイル「キンジャール」使用か
相次ぐミサイル攻撃 キーウの学校では地下室を教室に
ロシアとバルト三国の関係 一段と悪化
独英供与の戦車は訓練経て3月末にもウクライナへ
ロシア国防省 ウクライナ東部や南部でロシア軍が前進と主張