カナダ南東部ケベック州で多発している森林火災の煙の影響で、米ニューヨーク市が6日午前、世界の大気汚染ワーストランキングの筆頭に浮上した。
カナダの森林火災の煙は1週間以上にわたって何度も米北東部から中部の地域を覆い、大気汚染による健康被害の不安が高まっている。
世界の大気質を観測している民間機関IQairによると、ニューヨーク市の大気汚染指数は6日、150を超え、高齢者や幼い子ども、呼吸器系の疾患をもつ人にとって「不健康」な水準となった。
ニューヨーク市は6日午後の時点でも、ダッカ(バングラデシュ)、ジャカルタ(インドネシア)、ニューデリー(インド)などの都市と並んでワーストランキングの上位5位に入っていた。
これを受けてニューヨーク州中部では少なくとも10学区が6日、屋外での活動や体育の授業を中止した。
山火事の煙には危険な大気汚染物質のPM2.5が含まれている。ニューヨーク市の大気のPM2.5濃度は6日、世界保健機関(WHO)の基準値の10倍を超えた。
カナダの森林火災センターによると、ケベック州では今週、150件以上の森林火災が発生している。同州で今年に入って発生した森林火災は400件を超え、平年の2倍になった。
森林火災の煙はミシガン州デトロイトやイリノイ州シカゴなど米北中部にも広がり、各地で大気汚染への警戒が呼びかけられている。
デトロイトは6日午後、IQairの大気汚染ワーストランキングでトップ10に入った。シカゴの大気汚染は「中程度」とされている。ペンシルベニア州ピッツバーグは「不健康」レベルだった。