“祖国に対して再び本当の戦争が行われている”
“ロシアの将来 特別軍事作戦に参加のあなたがたに”

“西側のエリートがロシア嫌いをまきちらした”
“国全体がわれわれの英雄たちを支援するため結束”
そのうえで、「国全体が、われわれの英雄たちを支援するために結束している。すべての国民は、英雄を支える準備ができている」と述べ、国民に一層の結束を呼びかけました。
ロシア国防省はことし3月、1万人以上が参加すると発表していましたが、規模は小さくなっています。 また軍事パレードでは、ウクライナへの攻撃にも使用されている短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や、核兵器の搭載が可能なICBM=大陸間弾道ミサイル「ヤルス」などの核戦力も披露されました。
さらに、例年、戦勝記念日に、軍事パレードとともに恒例行事となっていた「不滅の連隊」と呼ばれる市民が行進する催しについても安全上の懸念を理由に全土で中止されました。
第2次世界大戦の期間中、旧ソビエトでは世界で最も多い、少なくとも2600万人の兵士と市民が死亡したとされ、ロシアで戦勝記念日は苦難の末に勝利した栄光と誇りの日と位置づけられています。 例年、この日には各地で記念式典などが行われ、戦勝国・敗戦国を問わず大戦の犠牲者を追悼し、平和に向けた国際社会の結束が誓われるなど「追悼と和解」の象徴という側面もありましたが、プーチン政権は、この戦勝記念日を国威発揚の場として利用してきました。
また軍事パレードでは、天候を理由に実施されなかったものの、核戦力による戦争など、非常時に大統領が乗り込む特別機の飛行も計画されました。 さらにロシア側は、ウクライナ東部や南部の占領地域でも記念の催しを行い、ロシアの支配下に置いたと誇示しました。
中止が決まったのは、 ▽ロシア西部のベルゴロド州やクルスク州、ブリャンスク州などウクライナと国境を接する地域のほか、 ▽北西部のプスコフ州や中部のリャザンなど国境から離れた地方、 さらに、 ▽ロシアが9年前、一方的に併合したウクライナ南部のクリミアや、 ▽軍事侵攻後の去年9月に併合したとしている東部ルハンシク州や、南部ヘルソン州、ザポリージャ州などでも軍事パレードの中止が決まっています。 ロシアのメディアは、5月4日までに軍事パレードの中止が発表されたのは、20以上の都市に上ると伝えています。 一方、首都モスクワの中心部赤の広場で行われている軍事パレードについては、ロシア大統領府はプーチン大統領の演説とともに、予定どおり実施されるとしています。 ただ、一部のロシアメディアは4月、赤の広場で行われる軍事パレードでは、航空機による上空の飛行は中止が検討されていると伝えていて、規模が縮小される可能性もあります。
「不滅の連隊」が中止される背景についてイギリス国防省は4月、ウクライナでのロシア側の損失に参加者の目が向くことを政権側が懸念している可能性が高いとする分析を発表しています。
ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は8日、関係が良好な旧ソビエトの国々の首脳に対して、戦勝記念日を祝うメッセージを送ったということで、欧米との対立が深まる中、第2次世界大戦の歴史を共有する旧ソビエト諸国をつなぎ止めたい思惑があるとみられます。
戦勝記念日の式典と軍事パレード終わる
“クレムリンへの無人機攻撃”への直接の発言なし
「赤の広場」の軍事パレード 規模は縮小に
旧ソビエトの首脳7人が式典に出席
ロシアの「戦勝記念日」とは
軍事パレード ことしは相次ぎ中止
「不滅の連隊」は全土で実施見送りに
旧ソビエト6か国の大統領や首相 出席予定