皇后さまは、9日午前、皇居・宮殿で、秋篠宮さまや三権の長などから天皇陛下とともに祝賀を受けられることになっています。
この1年は、コロナ禍も続く中、国際的な紛争や、世界各地での自然災害などが重くのし掛かり、心が痛むことの多い年であったように感じます。 世界各地での戦争や紛争により、子どもを含む多くの人の命が失われていることに深い悲しみを覚えます。 国際社会において、平和な世界を作っていくという大きな目標に向かって、皆が相手を尊重しつつ力を合わせていくことの大切さを身に沁みて感じております。 水害や地震などの大きな災害も起きており、パキスタンでは、夏の期間の豪雨により国土の約3分の1が水に浸かり、全人口の約15パーセントに当たる3300万人が被災したと聞きます。 洪水や干ばつによる被害は、ほかのアジアの国々やオーストラリア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカなど、世界各地で起きており、気候変動対策が急がれます。 今後、持続可能な世界を築いていくためには、世界の人々が知恵を出し合い、共に手を取り合って、協力していくことが急務であると感じます。 国内でも、地震や大雨、そして台風による災害が今年も起こりました。 亡くなられた方々とその御遺族に心からのお悔やみをお伝えするとともに、被害に遭われた方々にお見舞いをお伝えいたします。 英国のエリザベス二世女王陛下が、70年もの長きにわたる御在位の後、今年9月に崩御されたことも残念なことでした。 英国国民はもとより、世界中の人々が女王陛下の崩御を悼みました。 長年にわたって人々を導かれた女王陛下のお心の深さや知性、そして、その御存在の大きさを改めて感じ、心からの敬意と哀悼の気持ちを抱きました。 我が国においては、今年は、沖縄復帰50周年という節目の年になりました。 そのような年に、秋の国民文化祭及び全国障害者芸術・文化祭に際して沖縄県を訪問できたことを嬉しく思うとともに、平和の尊さや大切さを改めて心に深く刻む機会になりました。 コロナ禍の中で、地方への訪問を3年近く行うことができずにおりましたが、10月に開催された栃木県での国民体育大会の折に再開することができ、11月には、兵庫県での全国豊かな海づくり大会に出席することができるなど、各地で大勢の方に笑顔で温かく迎えていただいたことは、想像していた以上に嬉しく、また、有り難いことでした。 一方で、コロナ禍や最近の物価高などにより、多くの人々が様々な困難を抱えながら生活していることに心が痛みます。 3年近くにもわたって制約のある生活を続けている子どもたちへの影響も案じられます。 重苦しい空気の中で過ぎてきたように感じる今年ですが、先日のサッカーのワールドカップでは、日本中の人々が熱心に応援をする中、日本代表チームがすばらしい健闘をし、多くの人々に、大きな感動や夢とともに、困難に立ち向かう勇気を与え、日本の人々が心を一つにする機会になったことも印象に残る出来事でした。 今回、50代最後の誕生日を迎えるに当たり振り返ってみますと、私が、当時の皇太子殿下との結婚により皇室に入りましたのが平成5年6月9日、ちょうど29歳半の時でした。 本日の誕生日で、その時からちょうど29年半になります。 いつの間にか人生のちょうど半分ほどを皇室で過ごしてきたことに、感慨を覚えております。 これまでの人生を思い返してみますと、29歳半までの前半にも、また、皇室に入りましてからの後半にも、本当に様々なことがあり、たくさんの喜びの時とともに、ときには悲しみの時も経ながら歩んできたことを感じます。 そして、上皇上皇后両陛下のお導きをいただきながら、どのようなときにも、天皇陛下を始め、多くの方々に私の歩みの一歩一歩を支え、見守っていただいてきたことを思い、心から感謝したいと思います。 来る年が、我が国、そして世界の人々にとって、安心のできる、より良い年となりますことを願いつつ、これからも、国民の皆様の幸せを常に祈りながら、できる限りの務めを果たしていくことができるよう努力したいと思っております。 この機会に、日頃より皆様から寄せていただいている温かいお気持ちに対し、改めて心からの御礼をお伝えしたいと思います。
ことし9月には、天皇陛下とともにイギリスを訪問し、エリザベス女王の国葬に参列されました。 側近によりますと、国葬が終わったあとのレセプションに、両陛下は最後まで残り、参列した各国の王族らと懇談し、女王をしのばれたということです。 10月には天皇陛下とともに、沖縄県を訪問し、沖縄戦最後の激戦地となった糸満市にある、「国立沖縄県戦没者墓苑」で犠牲者の霊を慰められました。 沖縄戦の遺族たちとも懇談し、そのさいちゅう、高齢の男性が暑さでめまいを起こして倒れそうになったところ、皇后さまは真っ先に気づいて駆け寄ろうとされました。 その後、いすに座るよう促すなど遺族を気遣われていました。 また、側近によりますと11月、天皇陛下や長女の愛子さまと東京・上野の東京国立博物館を訪れ、国宝の屏風を鑑賞した際には、取材のカメラの位置からでは愛子さまが見えづらいことに気づき、カメラマンに配慮して天皇陛下を通じて撮り直しを提案されたこともあったということです。
医師団の見解の全文です。 皇后陛下におかれましては、これまでも医師団が説明いたしております基本的な考え方を踏まえながら、引き続き御治療を継続していただいております。 本年は、都内行幸啓につきましては、お一方でお出ましになった5月の全国赤十字大会や8月のフローレンス・ナイチンゲール記章授与式、両陛下でお出ましになった5月の沖縄復帰50周年記念式典(東京・沖縄両会場において開催、オンラインにて御出席)、8月の全国戦没者追悼式などをあわせ、オンラインを含め22回に及ぶお出ましをなさいました。 地方行幸啓につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のためにオンラインとなったもの(4回)の他、10月以降、栃木県、沖縄県並びに兵庫県にお出ましになりました。 さらに、9月には英国女王エリザベス二世陛下の御葬儀御参列のため、英国を御訪問になりました。 皇后陛下には、天皇陛下をお支えになり、国民が直面している様々な困難を心から気遣われ、出来る限り国民との触れ合いの機会を確保されようと努めていらっしゃいます。 皇居でも、感染防止に十分配慮されつつ、本年は蚕の種類や飼育頭数を増やして御養蚕に取り組まれるなど、御活動を続けられました。 また、皇后陛下には、大学での学習に励まれる愛子内親王殿下を母親として温かく見守られるとともに、昨年12月に御成年を迎えられた内親王殿下が、本年3月に初めて記者会見に臨まれた際には、お心をお配りになっておられました。 このように新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を取られつつ、皇后陛下が工夫を重ねられ、御体調を整えられながら努力して御活動を続けていらっしゃることは、御自信につながる望ましいことと考えております。 一方で、皇后陛下には、御快復の途上にあり、依然として御体調には波がおありです。 そのため、大きい行事の後や行事が続かれた場合には、お疲れがしばらく残られることもあります。 特に本年は都内行幸啓に加えて、地方や海外など、様々なお出ましをなさるとともに、御所や宮殿での行事も増えていらっしゃいます。 そのような中でお疲れが残らないよう、十分な御休息をお取りいただきたいと、医師団としては考えております。 また、かねてから皆さまにお伝えしているところではありますが、新型コロナウイルス感染症の感染状況にも十分留意しながら、私的な部分でも御活動の幅を広げていっていただくことが大切だと考えております。 皇后陛下には、これまで同様、周囲の方々の理解と支援をお受けになりながら御治療を続けていただくことが大切ですので、引き続き温かくお見守りいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
両陛下は、ことし沖縄県で開かれた「国民文化祭」の開会式に出席したほか、沖縄の本土復帰50年を記念して東京国立博物館で開かれた特別展を鑑賞していて、映像ではそれぞれの図録やガイドブックをご覧になっています。 そこに記された沖縄伝統の大綱引きや琉球建築などについて、天皇陛下が説明され、皇后さまは何度もうなずきながらじっくりと耳を傾けられています。
皇后さまが誕生日に際してつづられた感想 全文
皇后さま この1年
宮内庁が公表した医師団の見解 全文
天皇皇后両陛下が歓談されている映像を公開
皇后さまは、誕生日にあたって文書で感想を寄せ、ことし9月の国葬にも参列したイギリスのエリザベス女王について、「長年にわたって人々を導かれた女王陛下のお心の深さや知性、そして、その御存在の大きさを改めて感じ、心からの敬意と哀悼の気持ちを抱きました」と振り返られました。
天皇陛下の即位後初めてとなる沖縄県への訪問など、新型コロナウイルスの影響で3年近く控えていた地方への訪問を再開したことにも触れ、「各地で大勢の方に笑顔で温かく迎えていただいたことは、想像していた以上に嬉しく、また、有り難いことでした」と述べられています。
さらに、29歳の時に天皇陛下と結婚したことを振り返り、「本日の誕生日で、その時からちょうど29年半になります。いつの間にか人生のちょうど半分ほどを皇室で過ごしてきたことに、感慨を覚えております」と述べた上で、「多くの方々に私の歩みの一歩一歩を支え、見守っていただいてきたことを思い、心から感謝したいと思います」とつづられています。
今年もこうして無事に誕生日を迎えることができますことを有り難く思います。
皇后さまはこの1年、体調を見ながら地方への訪問も精力的に行うなど天皇陛下を支えられてきました。
宮内庁は、体調を崩されてから19年になる皇后さまについて、治療にあたっている医師団の見解を公表しました。
皇后さまの誕生日にあたって、宮内庁は、天皇皇后両陛下が皇居にあるお住まいの御所で歓談されている映像を公開しました。
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震度7と誤発表の原因 “7時間前の震度7と一連の地震” と処理
能登半島地震が起きた元日の夜遅くに、気象庁が誤って石川県で震度7の揺れを観測したと発表したことについて、気象庁が原因を調べた結果、システムに不備があり、この時の地震とおよそ7時間前の震度7の地震を「立て続けに起きた一連の地震」として誤って処理していたことが気象庁への取材で分かりました。
Source: NHK
Mar 29, 2024 09:03
石川 市外避難の園児保護者“輪島や珠洲で保育を” 市が対応へ
能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市と珠洲市が市外に避難している園児の保護者に調査したところ、新年度の来月以降、輪島市で7割以上、珠洲市で6割近くの保護者が、市内に戻り保育施設に通わせたい意向を示したことが分かりました。保育士が不足している施設もあり、市が対応を始めています。
Source: NHK
Mar 29, 2024 04:03
電気 ガス料金の負担軽減措置 5月使用分でいったん終了 経産省
経済産業省は物価高騰対策として続けてきた電気・ガス料金の負担軽減措置について、ことし5月の使用分までで、いったん終了すると発表しました。一方、ガソリン価格を抑えるための補助金は当面、延長するとしています。
Source: NHK
Mar 29, 2024 04:03
大谷翔平 ドジャーズ本拠地開幕戦 ヒット2本で上々のスタート
大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が28日、カーディナルス戦でヒット2本をマークし移籍後初の本拠地デビュー戦で上々のスタートを切りました。
Source: NHK
Mar 29, 2024 00:03
小林製薬「紅麹」問題 製品摂取後の死亡判明は4人に 影響拡大
「小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、新たに2人が亡くなっていたことがわかったと会社が発表しました。いずれも遺族から「紅麹コレステヘルプ」を摂取し腎臓の病気が疑われる症状があったと連絡があったということで会社は「原因となった疑いがある」として詳しい調査を進めています。この問題で、複数の入院患者を診察した大学病院の医師が、NHKの単独インタビューに応じました。医師によりますと問題が明らかになる前の去年11月から先月にかけて、70代女性1人と50代の女性2人が、尿が泡立つなどの症状が出たり健康診断で腎機能の異常が指摘されたりしたためこの病院を受診したということです。3人はいずれも腎臓の病気も含めて持病はありませんでしたが、腎機能が低下していたということです。※記事では診察にあたった医師のインタビューのほか「回収対象」となっている製品の一覧表をまとめています。
Source: NHK
Mar 28, 2024 15:03
29日~31日 黄砂飛来と予想 西~北日本の広範囲に 注意を
あす29日から日曜日の31日にかけて、西日本から北日本にかけての広い範囲で黄砂が飛来すると予想され、気象庁は注意を呼びかけています。
Source: NHK
Mar 28, 2024 09:03
日銀 金融政策決定会合の主な意見を公表 出口政策発言相次ぐ
日銀は、マイナス金利の解除など大規模な金融緩和策の転換を決めた先週の金融政策決定会合の「主な意見」を公表し、委員からは、マイナス金利解除後も急速な利上げは必要なく慎重な姿勢を強調すべきだといった、今後のいわゆる出口政策に関する発言が相次いでいたことがわかりました。
Source: NHK
Mar 28, 2024 04:03
太陽光発電施設での爆発は蓄電設備 安全確認されしだい検証へ
27日夜、鹿児島県伊佐市の太陽光発電施設の建物から火が出て消火にあたっていた隊員4人がけがをしました。消防によりますと、爆発した建物は蓄電設備で、放水によって感電などのおそれがあることから、消防や警察は発電施設の電源を遮断し、安全が確認されしだい鎮火の確認や検証にあたることにしています。
Source: NHK
Mar 28, 2024 04:03
“イヤホン装着 列車接近気付かなかったか” 佐賀踏切死亡事故
去年7月、佐賀県小城市の遮断機のない踏切でランニングをしていたとみられる男性が列車にはねられて死亡する事故があり、国の運輸安全委員会は男性がイヤホンを装着していて列車の接近に気付かなかった可能性があるとする調査報告書を公表しました。
Source: NHK
Mar 28, 2024 04:03
「特別なものではなく、ただ日常を取り戻したいだけなんです」
眠れない。食べられない。起き上がれない。言いようのない虚脱感にさいなまれる。そんな状態が、10日間ほども続きました。経営する民宿が被災し、心身の不調を経験した珠洲市の女性がインタビューの途中、ふとこう漏らしました。「何も特別なものではなく、日常を取り戻したいだけなんです。いったい元に戻りつつあるんだろうかって、本当に思います」
Source: NHK
Mar 28, 2024 00:03