坂本龍一さんの最後の様子長年親交続けてきた編集者が語る - Easy News

がんの闘病とうびょう生活せいかつを続つづけてきた坂本さかもと龍一りゅういちさんは、月刊げっかん雑誌ざっしで、去年きょねん7月つき号ごうからことし2月つき号ごうまで『ぼくはあと何なん回かい、満月まんげつを見みるだろう』と題だいする自伝じでんを連載れんさいしていました。この連載れんさいを担当たんとうし、20数すう年間ねんかん、親交しんこうを続つづけてきた編集へんしゅう者しゃの鈴木すずき正文まさふみさんに坂本さかもとさんの最後さいごの様子ようすについて話はなしを聞ききました。

連載れんさいでは坂本さかもとさんが「何なにもしなければ余命よめい半年はんとしです」と医師いしに告つげられたことや、息子むすこに教おそわり、ふだんは聞きくことがなかったアメリカのカントリーの曲きょくに思おもいがけず心こころを動うごかされ、涙なみだを流ながしたことなどがつづられています。

鈴木すずきさんは、連載れんさいのためのやりとりの中なかで、坂本さかもとさんが、毎回まいかい、音楽おんがくだけでなく社会しゃかいに対にたいするメッセージを発はっし続つづけていたことに感銘かんめいを受うけたと振り返ふりかえりました。

「音楽おんがくはもちろんですが、原発げんぱつや安保あんぽ法制ほうせい、気候きこうの問題もんだいなど、すべての人ひとの文化ぶんか的てき、現実げんじつ的てきな生活せいかつに影響えいきょうがある大事だいじな問題もんだいについて、積極せっきょく的てきに見解けんかいを述のべていました」最後さいごに会あった先月せんげつ8日にちには、坂本さかもとさんは日本にっぽん文学ぶんがくの本ほんを何なん冊さつか手元てもとに持もってきて、その中なかに大正たいしょう初期しょきの変かわりゆく東京とうきょうの姿すがたを描えがいた永井ながい荷風かふうの『日和ひより下駄げた』という作品さくひんの初はつ版本はんぽんがあったということです。

鈴木すずきさんは「『日和ひより下駄げた』は、自動車じどうしゃ道路どうろができたり、開発かいはつで地形ちけいが変かわったりして様変さまがわりしていく東京とうきょうを荷に風ふうが散歩さんぽするという話はなしですが、坂本さかもとさんは、現代げんだいの東京とうきょうが、オリンピックなどを契機けいきに変かわっていくのを荷に風ふうが嘆なげいたのと同おなじように感かんじていたのだと思おもいます」と話はなしていました。

また、鈴木すずきさんは坂本さかもとさんが日本にっぽん社会しゃかいに与あたえた影響えいきょう力りょくについて「外国がいこくの人ひとが日本人にっぽんじんってどんな人ひとといったときに『坂本さかもとさん』の名前なまえが必かならず出でます。もし彼かれがいなかったら日本にっぽんの現代げんだい文化ぶんかに関にかんするイメージはずいぶん違ちがったのではないかと思おもいます。日本にっぽんの現代げんだい文化ぶんかのステータスを上あげた人ひとで、そういう人ひとはもういないので、彼かれの存在そんざいは大おおきかったです」と語かたりました。

そして「坂本さかもとさんは何なにかになろうとか、偉大いだいなものになろうとか、そういうことを思おもったことはなかったと思おもいます。自分じぶんの死期しきが近ちかくなってからの生き方いきかた、死しに方かたに悔くいはないと話はなしていました。歩あゆんできた道みちの途中とちゅうで倒たおれたわけですが、そこから先さきは彼かれに続つづく人ひとがまた歩あるいていくのだと思おもいます」と話はなしていました。

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