アメリカの
銀行の
経営破綻では、
銀行の
経営悪化に関する情報がSNS
を通じて一気に拡散し、
大口の
顧客が
急速に
預金の
引き出しに
走ったことが
突然破綻に
陥った1つの
要因とされています。
また、
顧客の
多くが
大口の
スタートアップ企業で、
預金保険で
守られない
資金が
多かったことも
預金の
流出に
拍車をかけたと
指摘されています。
これについて、金融庁の幹部はこう発言していました。
「1日に5兆円以上の預金が流出するというのは聞いたことがないスピードだ。SNS時代の預金者は1日たりとも待ってはくれないということだろうが、これまでの『金月処理』(金曜日に破綻を公表し、月曜日に譲渡先での営業を開始する破綻処理の仕組み)で対応できるのか、時代に合った仕組みを考えねばならない」
こうした中で、日本の金融当局が今、注目するのは預金がいかに引き出されにくいかを示す「粘着性」という分析指標です。例えば、預金保険法のもとで保護される企業の「決済用預金」や「1000万円以内の個人の預金」などは、粘着性が高いとされています。
金融庁によりますと、日本では、破綻したアメリカの銀行のように、顧客の構成や預金の種類が極端に偏っている金融機関は確認されていないということで、一定の「粘着性」は確保されていると見ています。
金融機関側の認識も同様です。4月3日、みずほ銀行の加藤勝彦頭取は、全国銀行協会の会長の就任会見で、次のように指摘しました。
全国銀行協会 加藤勝彦会長
「
邦銀は、(
破綻した
アメリカの)シリコンバレーバンクと
異なり、
日銀による
長期の
量的・
質的緩和によって
潤沢な
資金も
保有しており、
その預金は
企業や
個人などに
分散されている。
すなわち、
預金の『
粘着性』が
高く、
同様の
事象が
起こる可能性は
低い」
金融危機を防ぐには 規制より監督が重要
「AT1
債」で
資本にバッファーを
持たせる
仕組みや
預金の「
粘着性」
に関する規制は、2008
年のリーマン
ショックを
教訓に
設けられた
国際規制「バーゼル3」で
重視されたものでした。
しかし、
今回の
金融不安で
同様のリスクが
再び顕在化しています。
おととしまで日銀に務め、通算15年余りバーゼル規制の業務に携わった秀島弘高さんは「今回の経験の教訓はこれからしっかり洗い出す必要があるが、すぐに規制強化に飛びつくのではなく、日常の金融当局の監督が重要ということを忘れるべきでない」と指摘します。
国際的な規制の枠組みをつくるバーゼル委員会は、規制づくりだけでなく、金融機関の監督を重視するため2021年に組織を改編しました。さらに、去年12月に公表した計画でも、金利上昇時に金融機関が保有する債券に含み損を抱えるリスクが指摘され、ストレステストや危機時のシナリオ作成を行って、リスクを点検するこれまでのやり方が十分か検証する必要があるとしていました。
今回そうしたリスクを踏まえた監督がなぜ行えなかったのか、アメリカの中央銀行にあたるFRBのバー副議長は、経緯を検証した報告書を5月1日までに公表するとしています。
氷見野良三 日銀副総裁
また、4
月10
日には、
元金融庁長官の
氷見野良三日銀副総裁が、
就任記者会見の
中でリーマン
ショック後の
規制改革が
十分だったかと
問われ「
規制は
監督の
代わりにはならない。
規制さえ
厳しくしていけば
問題は
全部起こらなく
なるということではない。そうした
視点を
大事に
議論に
参加したい」と
述べ、
世界の
金融当局とともに
監督の
あり方を
検証する
考えを
示しています。
金融危機を防ぐためにどのような備えが必要か、金融当局の今後の検証と議論に注目が集まります。
注目予定
欧米の
金融不安がくすぶっている
影響で
世界経済の
減速への
懸念が
一層強まっています。11
日、IMF=
国際通貨基金は、
世界経済の
最新の
見通しを
発表し、ことしの
世界全体の
経済成長率を
下方修正しました。
来週は、世界経済の現状を見るうえで重要な指標の発表があります。
このうち、18日には中国のGDPが発表されます。「ゼロコロナ」政策の終了後、個人消費などがどれほど持ち直しているか注目です。
戸籍上の性別変更要件 最高裁で初弁論 前日に異例の「審問」も
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要がありますが、その要件が憲法違反かどうかが争われている申し立てで初めてとなる弁論が最高裁判所で開かれ、当事者の弁護士は、「手術の要件は性別の在り方が尊重される権利を侵害し、憲法違反だ」と訴えました。これに先立ち26日、大法廷で当事者本人が意見を述べる異例の手続きが行われていたことも明らかになりました。
Source: NHK
Sep 27, 2023 08:09
水俣病救済基準めぐり国などに賠償命令 大阪地裁
水俣病と認定されておらず、救済策の対象にもならなかった関西などに住む熊本と鹿児島出身の120人余りが、国と熊本県、それに原因企業に賠償を求めた裁判の判決で、大阪地方裁判所は、国などに賠償を命じました。裁判では、住んでいた「地域」や「年代」で救済対象を区切った特別措置法の基準の妥当性などが争われ、全国4か所で起こされている集団訴訟で判決が言い渡されたのは初めてです。
Source: NHK
Sep 27, 2023 08:09
五輪汚職事件 組織委元理事 裁判に証人として出廷も証言拒否
東京オリンピック・パラリンピックをめぐり、総額2億円近い賄賂を受け取ったとして受託収賄の罪に問われている大会組織委員会元理事の高橋治之被告が、贈賄側とされる被告の裁判に証人として出廷しましたが「自分の裁判に影響を与える可能性がある」と述べて証言を一切拒否しました。
Source: NHK
Sep 27, 2023 03:09
TOHOシネマズ 配給元に圧力か 独禁法違反疑いで再発防止策提出
全国で映画館を展開する「TOHOシネマズ」が自社以外に作品を配給しないよう圧力をかけるなどして、映画の配給元の事業を不当に拘束し、独占禁止法に違反した疑いがあるとして公正取引委員会の調査を受け、再発防止などを自主的に確約する計画を提出していたことが、関係者への取材でわかりました。
Source: NHK
Sep 27, 2023 03:09
オンラインカジノ 決済代行業者を逮捕 客18人は書類送検
スマホなどからインターネットを通じて金を賭けるオンラインカジノをめぐり、警視庁は、海外の運営者に賭け金を送金するなどしていた決済代行業者の2人を客の賭博行為を手助けしたとして常習賭博ほう助の疑いで逮捕しました。オンラインカジノで客の賭博を手助けしたとして決済代行業者が逮捕されるのは全国で初めてです。
Source: NHK
Sep 27, 2023 03:09
沖縄 玉城知事 “基地移設工事 27日までに承認難しい”
沖縄県のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事をめぐり、国が沖縄県に対し27日までに工事を承認するよう勧告していることについて、玉城知事は県政の安定的な運営を図る上で県民や学者などからの意見を分析する必要があるなどとして、27日までに承認を行うことは難しいと回答する方針を明らかにしました。
Source: NHK
Sep 27, 2023 03:09