年々進化するスマートウォッチの
機能。
ある警察幹部は、死亡日時を割り出すのにスマートウォッチが活用されるケースは異例だといいます。
警察幹部
「スマートウォッチで計測された情報は、死亡時の状況を調べる上で有力な手がかりになると思います。今回は珍しいケースですが、ほかの情報も含め総合的に判断されたものです。特に、事件の場合は、計測されたデータが都合よく利用される可能性もあるため、ほかの情報などとも突き合わせて慎重に判断していくことになります」
高橋医師は、死亡時のより正確な状況を明らかにするため、課題を洗い出した上で今後も活用の可能性を検討したいと考えています。
高橋医師
「最近では心電図などを記録できるスマートウォッチも登場していて、データを活用することで、亡くなる直前、どのような心臓の状態だったのかといったことまでも分かるかもしれません。正確な情報は残される人にとっても精神的な不安を和らげることにもつながります。解剖は「最後の医療」とも言われています。できるだけ正確な死亡日時や死因など当時の状況を明らかにしていきたいです」
利用者は増えると推計
新型コロナの
感染拡大で
病気の
予防や
健康意識が
高まるなか、
心拍数や
血中酸素飽和度を
計測できる
機能を
搭載したスマートウォッチは、
幅広い世代で
普及しています。
民間の
調査会社、MM
総研によりますと、スマートウォッチの
国内の
販売台数は、2021
年度の1
年間に
およそ343
万台。2020
年度に
比べて、
およそ49.6%
増加し、2026
年度には639
万台に
拡大すると
予測しています。
拡大が見込まれる背景には、スマートウォッチで心拍数や血中酸素飽和度の測定のほか、心電図やカロリーの消費量など健康管理に関わるデータを記録できるため、医療や日々の体調管理など幅広い分野への活用が期待されていることがあります。
医療現場でも活用広がる
中には
計測した
情報をもとに、
病気の
危険性があれば
警告が
表示される
機種もあります。
岐阜県にある中部国際医療センターでは、去年、スマートウォッチで心拍の異常を把握した人などを対象にした専門外来を新たに設けました。
担当するのは、不整脈治療の専門医で循環器内科の中島孝医師です。今後、普及に伴って、こうした専門外来の需要は高まると考えています。
中島医師「いまスマートウォッチを身につけている人は比較的若い人が多いですが、その世代がこれから年齢を重ねていくにつれて健康上のリスクも増えます。また、健康管理を目的に高齢者の間でも普及が広がることも考えられます。今後、スマートウォッチで計測した情報に危機感を感じて病院を訪れる患者は増えるのではないかと見ています」
医師 “病気の兆候察知し早期治療へ”
専門外来を
設置した
きっかけの1つは、スマートウォッチで
病気の
危険性を
知らせる警告を
見て
受診する
人が
相次いだことです。
岐阜県内に
住む稲見浩さん(57)も、スマートウォッチの
情報を
きっかけに
この病院を
訪れた1
人です。
おととし、
稲見さんはスマートウォッチに
搭載された
心電図のアプリを
見て
驚きました。
そこには
不整脈の
一種で
心臓の
一部がけいれんする
病気「
心房細動」という
警告が
表示されていたのです。
稲見浩さん
「数年前に狭心症を患ってから心臓のことが気になっていたのでスマートウォッチを購入しました。息切れしたりとか、苦しく感じたりしたときに自分で心電図を測定していました。警告が表示された時は、かなり脈拍が上がって、座っているだけでも言葉を発することができない状態でした」
すぐに病院に向かい、精密検査を受けたところ、改めて「心房細動」と診断されました。医師によりますと、そのまま放置していれば心不全や脳梗塞となるリスクもあったということです。
その後、稲見さんは手術を受け、容体は落ち着いているということで、今では、定期的にチェックすることが習慣になったということです。
中島医師はスマートウォッチの
登場によって、
個人でも
ストレスなく
心電図の
データなどを
記録できる時代になったといいます。
中島医師
「これまでは、何か症状が出てから病院を受診して、その後、検査をして初めて詳細が分かるという流れでした。しかし、スマートウォッチは、日常的に装着しているものです。何か異常を感じた時に患者自身の判断で計測できるため、病気の兆候をいち早く察知し、早期の治療につなげることも期待できると考えています」
高齢化社会で “活用の幅広がる”
新たな
可能性を
示すスマートウオッチ。
活用の幅が社会で広がりを見せるなか、身につける人の「見守り」につなげることも重要だと専門家は指摘します。
日本法医学会理事長/
福岡大学医学部 久保真一教授「工場や工事現場などで働く作業員の安全を、スマートウォッチによって見守ることで重大な労災事故を未然に防ぐことが可能になるかもしれません。また、これからますます核家族が増えるとともに高齢化も加速し、まわりに気付かれずに亡くなる、いわゆる『孤立死』のケースが増加するおそれもあります。検知した体調の異変を、遠く離れて暮らす家族や、かかりつけの医師に知らせるなどの取り組みが今後さらに広がることも期待したいです」
個人情報の行方は…
一方で、スマートウォッチで
計測された
データは
個人情報です。
計測した健康に関する情報を医療機関などと共有しやくするための仕組みについて、いま、官民での検討が進められています。
自分の健康を守るため。そして、家族の健康を見守るためにどう活用するべきか。スマートウォッチの機能が飛躍的に向上する中、そのデータの扱い方も課題になりそうです。
“体罰は人生を変える”17歳女子高生の訴え
彼女は当初、「体罰」だとは思いませんでした。「たたかれた時、痛みよりも試合のことやチームの雰囲気を悪くしたことが心配でした」兵庫県姫路市の高校のソフトボール部で、部員の女子生徒が顧問の男性教諭に平手でほおをたたかれる体罰が発覚しました。「お前なんかいらん」などと暴言も浴び、みずから命を絶とうと考えるまで追い詰められたといいます。大好きだったソフトボール用品は、今は押し入れにしまったまま。部活動も学校も辞めざるをえませんでした。(神戸放送局 記者 武田麻里子)
Source: NHK
Jun 9, 2023 11:06
名古屋刑務所 施設内監視カメラ映像 一部消去で謝罪
名古屋刑務所で服役中に死亡した男性受刑者の遺族が国に損害賠償を求めている裁判で、名古屋刑務所が男性の死後、施設内での様子を写した監視カメラの映像を記録媒体に保存する際、誤って別の人物の映像を保存したため、男性の映像の一部が残されていなかったことが分かりました。裁判所に証拠保全を求められ記録媒体を提出する際に気付いたということで、刑務所は「職員のミスで裁判所やご遺族にご迷惑をおかけし本当に申し訳ない」と謝罪しました。
Source: NHK
Jun 7, 2023 11:06
マッチングアプリ 出会った先で…ぼったくり!?
「遅れたおわびにお店を探しますね」マッチングアプリで知り合った女性と待ち合わせをしていた男性。女性に連れて行かれたのは、東京・歌舞伎町の「ぼったくりバー」でした。出会いのツールを悪用した犯罪。だまされないために私たちができることは。(デジタルでだまされない取材班 / 若林勇希)
Source: NHK
Jun 7, 2023 08:06
歯科矯正「実質無料」が“治療中断で健康被害” 150人余が提訴
実質無料で歯科矯正ができるとしてモニターの契約をしたのに高額の費用を払わされた上、治療を中断され歯並びが悪くなるなどの健康被害を負ったと主張して全国各地の女性など150人余りが歯科医院などにあわせて2億6000万円余りの賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
Source: NHK
Jun 6, 2023 11:06
亡き母の思い胸にW杯へ ラグビー日本代表 李承信と家族の物語
ラグビー日本代表の李承信選手は、小学6年生のときに母をがんで亡くした。ラグビーをしているとき、いつもそばで見守ってくれる母だった。「『ワールドカップに出てほしい』って、ずっと言われていました。だから、お母さんのためにも出たい思いが強いですね」9月に開幕するワールドカップフランス大会。大舞台を目指す日本代表の若き司令塔と、その家族の物語です。(スポーツニュース部 記者 小林達記)
Source: NHK
Jun 5, 2023 08:06
ウクライナ軍 反転攻勢へ「形成作戦」進めているとの見方も
ウクライナ東部でロシア軍によるミサイル攻撃があり、2歳の女の子が死亡、子どもを含む20人余りがけがをし、ゼレンスキー大統領はロシアを強く非難しました。一方、ロシアでは、ウクライナとの国境近くで燃料施設などへの攻撃が相次いでいるとみられ、ウクライナ軍が反転攻勢に向けて「形成作戦」と呼ばれる準備段階の作戦を進めているという見方も出ています。
Source: NHK
Jun 4, 2023 11:06
【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
Source: NHK
Jun 4, 2023 00:06
シンガポールでアジア安全保障会議 米中閣僚が短く言葉交わす
アジアや欧米の防衛担当の閣僚らが地域の安全保障の課題について議論する「アジア安全保障会議」がシンガポールで始まり、対立を深めるアメリカと中国の閣僚が短く言葉を交わしました。ただ重要なやりとりはなく、今後、具体的な対話につながるかどうかに関心が集まっています。
Source: NHK
Jun 3, 2023 00:06
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