諫早湾の
干拓事業では、1997
年に
国が
堤防を
閉めきったあと、
▽漁業に深刻な被害が出たとして漁業者が起こした裁判で、開門を命じる判決が確定した一方、
▽農業者が起こした別の裁判では開門を禁止する判断が確定していました。
司法の判断がねじれた状態となる中、排水門を開けない立場の国は開門を命じた確定判決の効力をなくすよう求めていました。
この裁判で福岡高等裁判所は去年「開門を命じた当時と比べ、漁業への影響が減る一方、排水門を開けた場合の防災や干拓地の農業への支障は増大している」などとして国の主張を認め、開門を命じた確定判決の効力を無効とする判断を示しました。
判決を不服として漁業者側が上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の長嶺安政裁判長は2日までに退ける決定をし、国の勝訴が確定しました。
開門を命じた確定判決の効力はなくなり、司法判断は「開けない」方向で事実上、統一された形となりました。
松野官房長官「国の主張が受け入れられた」
松野官房長官は、午後の記者会見で「今般の決定は、国の主張が受け入れられたものと理解しており、引き続き諫早湾干拓事業をめぐる一連の訴訟について、関係省庁で適切に対応していく」と述べました。