捜索を受けているのは、東京 港区の「ビッグモーター」の本社で、本社の入るビルの20階には午前10時前に捜査員およそ30人が入りました。
「ビッグモーター」の店舗前の街路樹が各地で枯れている問題をめぐっては、都内の9つの店舗と、神奈川県内の3つの店舗で土から除草剤の成分が検出されるなどしていて、このうち「多摩店」と「川崎店」では木が伐採された跡が確認されています。
警視庁と神奈川県警は9月、合わせて12の店舗を器物損壊の疑いで捜索し、現在、それぞれの店舗の関係者から聞き取りを行っていますが、除草剤をまくなどの行為が組織的に行われていた疑いがあるとして本社の捜索に踏み切りました。
警視庁などは15日の捜索でさらに資料を押収し、詳しいいきさつや本社側の関与について解明を進めることにしています。
複数の社員や元社員「”環境整備点検”の対策として」
NHKの取材に対し、ビッグモーターの複数の社員や元社員が、月に1度、本社の幹部が店を訪れて実施していた「環境整備点検」と呼ばれる点検の対策として除草剤をまいた店舗があったと証言しています。
関東の元社員の男性は「店や、店舗前の歩道のアスファルトの隙間から1センチの雑草でもはえているのが見つかったらアウト。本当にピリピリして、戦々恐々としていました」と話しました。
また、九州の元社員の男性は「除草剤をまいた結果、環境整備点検でいい成績が出た店舗があったと聞いている。本社の指示があったかどうかは分かりませんが、そこから『除草剤をまけば大丈夫』という考えが広まった部分はあると思う」と話しました。
下請け業者に草むしりさせた疑いも
「ビッグモーター」が、下請けの事業者に店の周りの草むしりをさせたりするなど、立場を利用して不利益を与えていた疑いがあるとして、公正取引委員会が調査を始めたことも、関係者への取材でわかっています。