新型しんがたコロナの影響えいきょうで落ち込おちこんだ地価ちかの回復かいふく傾向けいこうが鮮明せんめいとなり、その流ながれが地方ちほうにも波及はきゅうしています。

「都道とどう府県ふけん地価ちか調査ちょうさ」は、毎年まいとし7月つき1日にち時点じてんの全国ぜんこくの土地とちの価格かかくを都道とどう府県ふけんが調しらべるもので、国土こくど交通こうつう省しょうは2万まん1300あまりの地点ちてんの結果けっかをまとめ、19日にち、公表こうひょうしました。

それによりますと、すべての用途ようとの地価ちかの全国ぜんこく平均へいきんは、去年きょねんに比くらべて1.0％上昇じょうしょうして2年ねん連続れんぞくのプラスとなり、上昇じょうしょう率りつも拡大かくだいしました。新型しんがたコロナの5類るいへの移行いこうで社会しゃかい経済けいざい活動かつどうが活発かっぱつ化かし、いったん落ち込おちこんでいた地価ちかの回復かいふく傾向けいこうが鮮明せんめいになっています。

用途ようと別べつでは住宅じゅうたく地ちが全国ぜんこく平均へいきんで0.7％上昇じょうしょうし、2年ねん連続れんぞくのプラスとなりました。

三さん大だい都市とし圏けんでは東京とうきょう圏けん、名古屋なごや圏けんが3年ねん連続れんぞく、大阪おおさか圏けんが2年ねん連続れんぞくで上昇じょうしょうしました。

さらに、三さん大だい都市とし圏けんを除のぞく「地方ちほう圏けん」でも0.1％上昇じょうしょうし1992年ねん以来いらい31年ねんぶりにプラスに転てんじました。

都市とし部ぶの需要じゅようが堅調けんちょうなことに加くわえ、リモートワークの普及ふきゅうなども背景はいけいに地価ちか上昇じょうしょうの流ながれが郊外こうがいや地方ちほうにも波及はきゅうしています。

商業しょうぎょう地ちの全国ぜんこく平均へいきんは、1.5％上昇じょうしょうし、2年ねん連続れんぞくのプラスでした。

三さん大だい都市とし圏けんがそろって上昇じょうしょうし、地方ちほう圏けんも0.5％の上昇じょうしょうと4年ねんぶりにプラスとなりました。

外出がいしゅつの機会きかいが増加ぞうかし海外かいがいからも含ふくめた旅行りょこう者しゃも回復かいふくしたことで飲食いんしょく店てんの出店しゅってんやホテルの開業かいぎょうの動うごきが相次あいつぎ、繁華はんか街がいや観光かんこう地ちを中心ちゅうしんに地価ちかを押し上おしあげました。

北海道ほっかいどうや熊本くまもと県けんが上昇じょうしょう率りつの上位じょうい占しめる

今回こんかいの調査ちょうさでは、地価ちかの上昇じょうしょう率りつの上位じょういを北海道ほっかいどうや熊本くまもと県けんの地点ちてんが占しめ、半導体はんどうたい工場こうじょうの建設けんせつが進すすむ地域ちいきの地価ちかの上昇じょうしょうが際立きわだっています。

住宅じゅうたく地ちで地価ちかの上昇じょうしょう率りつが最もっとも高たかかったのは、

▽北海道ほっかいどう千歳ちとせ市し栄さかえ町まち5丁目ちょうめでプラス30.7％となりました。

▽2位いが千歳ちとせ市し東雲しののめ町まち5丁目ちょうめでプラス30.5％、

▽3位いが千歳ちとせ市しみどり台みどりだい北きた4丁目ちょうめでプラス29.0％となっています。

千歳ちとせ市しでは、先端せんたん半導体はんどうたいの国産こくさん化かを目指めざす「Rapidus」の新あらたな工場こうじょうの建設けんせつが進すすんでいて、今後こんご、従業じゅうぎょう員いんの住宅じゅうたくなどの需要じゅようが高たかまると見込みこまれています。

北海道ほっかいどうと熊本くまもと県けん以外いがいでは、住宅じゅうたく地ちでダイビングなどを楽たのしめる別荘べっそう地ちとして人気にんきが高たかまっている沖縄おきなわ県けん恩納おんな村むら真栄田まえだがプラス28.9％と全国ぜんこく5位いとなりました。

商業しょうぎょう地ちでは、▽熊本くまもと県けん大津おおつ町まち室しつでプラス32.4％と最もっとも高たかくなりました。

隣接りんせつする熊本くまもと県けん菊陽きくよう町まちで台湾たいわんの半導体はんどうたい大手おおてTSMCの工場こうじょう建設けんせつが進すすんでいて、関連かんれん企業きぎょうの事務所じむしょを確保かくほしようという動うごきが高たかまっています。

▽2位いは千歳ちとせ市し北栄きたざかえ2丁目ちょうめでプラス30.8％。

▽3位いは千歳ちとせ市し東雲しののめ町まち1丁目ちょうめでプラス30.5％でした。

商業しょうぎょう地ちでは、インバウンド需要じゅようの回復かいふくで外国がいこく人じん向むけのホテルの建設けんせつが相次あいつぐ長野ながの県けん白馬はくば村むら北城ほくじょうがプラス27.3％と7位いでした。

工業こうぎょう地ちも熊本くまもと県けん大津おおつ町まち室しつがプラス31.1％で最もっとも高たかくなりました。

全国ぜんこくの最高さいこう価格かかく地点ちてんは

全国ぜんこくの商業しょうぎょう地ちで地価ちかが最もっとも高たかかったのは、18年ねん連続れんぞくで東京とうきょう・中央ちゅうおう区く銀座ぎんざ2丁目ちょうめの「明治めいじ屋や銀座ぎんざビル」で、1平方メートルへいほうめ-とるあたり4010万まん円えんでした。

去年きょねんまでは新型しんがたコロナの影響えいきょうで下落げらくが続つづいていましたが、外国がいこく人じん旅行りょこう者しゃによるインバウンド需要じゅようの回復かいふくなどから、ことしは2.0％値上ねあがりし、4年ねんぶりに上昇じょうしょうに転てんじました。

全国ぜんこくの住宅じゅうたく地ちで地価ちかが最もっとも高たかかったのは、5年ねん連続れんぞくで東京とうきょう・港みなと区く赤坂あかさか1丁目ちょうめで1平方メートルへいほうめ-とるあたり524万まん円えんでした。去年きょねんに比くらべて4.0％の上昇じょうしょうです。

周辺しゅうへんの麻布まふ台だい地区ちくでことし11月つき複合ふくごう施設しせつが開業かいぎょうする予定よていでにぎわいや利便りべん性せいへの期待きたいが高たかまり、上昇じょうしょう率りつが拡大かくだいしています。

全国ぜんこくの工業こうぎょう地ちで地価ちかが最もっとも高たかかったのは、2年ねん連続れんぞくで東京とうきょう・大田おおた区く東海とうかい2丁目ちょうめで1平方メートルへいほうめ-とるあたり74万まん8000円えんでした。

インターネット通販つうはんの普及ふきゅうなどを背景はいけいに、輸送ゆそう量りょうが増ふえる中なか、東京とうきょう港こうや羽田はた空港くうこう、首都しゅと高速こうそく道路どうろへのアクセスがよく、物流ぶつりゅう施設しせつとしての需要じゅようが堅調けんちょうとなっています。

北海道ほっかいどう 千歳ちとせ 土地とちへの投資とうし加速かそく 地価ちか上昇じょうしょう顕著けんちょに

今月こんげつ、起工きこう式しきが行おこなわれたRapidusの半導体はんどうたい工場こうじょうが建設けんせつされる北海道ほっかいどう千歳ちとせ市しでは、土地とちや建物たてものへの投資とうしが加速かそくしています。

ことしの都道とどう府県ふけん地価ちか調査ちょうさで、千歳ちとせ市内しないの調査ちょうさ地点ちてんは住宅じゅうたく地ちの上昇じょうしょう率りつで全国ぜんこく1位いから3位いを独占どくせん、商業しょうぎょう地ちの上昇じょうしょう率りつで2位いから4位いを占しめるなど地価ちかの上昇じょうしょうが顕著けんちょになっています。

地元じもとの不動産ふどうさん会社かいしゃによりますと、千歳ちとせ市しに工場こうじょうが建設けんせつされることが決きまったことし2月つき以降いこう、道みち内外ないがいから土地とちや建物たてものの購入こうにゅうに関にかんする問い合といあわせが急増きゅうぞうしていて、成約せいやく件数けんすうは例年れいねんに比くらべて数すう倍ばいに増加ぞうかしているということです。

問い合といあわせの多おおくは、建設けんせつ工事こうじの関係かんけい者しゃやRapidus、それに今後こんご進出しんしゅつが予想よそうされる半導体はんどうたい関連かんれん企業きぎょうの従業じゅうぎょう員いんなどが利用りようする住宅じゅうたくや宿泊しゅくはく施設しせつの需要じゅようの高たかまりを見込みこんだものだということです。

この不動産ふどうさん会社かいしゃが取り扱とりあつかった物件ぶっけんでは、JR千歳ちとせ駅えきから徒歩とほ10分ふんほどのところにある千歳ちとせ市し清水しみず町まちの5階かい建けんの中古ちゅうこマンションが先月せんげつ、数すう億おく円えんで売買ばいばいされ、来月らいげつからはウィークリーマンションとして稼働かどうが始はじまる予定よていで、室内しつないにはベッドや机つくえなどが設置せっちされています。

また、繁華はんか街がいにほど近ほどちかい千歳ちとせ市し朝日あさひ町まちの1700平方メートルへいほうめ-とる余あまりの土地とちはこのほど購入こうにゅうされ、今後こんご、5階かい建だてのマンション3棟むねが建設けんせつされる見通みとおしです。

千歳ちとせ市しの不動産ふどうさん会社かいしゃ「平和へいわ恒産こうさん」の鈴木すずき善一ぜんいち社長しゃちょうは市内しないの不動産ふどうさんへの投資とうしについて、「25年ねんほど不動産ふどうさん業ぎょうをやっているが、今いままでにない取り引とりひきと問い合といあわせの数かずで、土地とちの購入こうにゅうまでのスピードも速はやくなっている」と話はなしています。

一方いっぽうで、鈴木すずき社長しゃちょうは「JR千歳ちとせ駅えき周辺しゅうへんでは、これまでは1坪つぼ20万まん円えんぐらいだった土地とちが40万まん円えんほどになり、中なかには100万まん円えんくらいで取り引とりひきされる土地とちもあって、バブル期きをほうふつとさせる上昇じょうしょうとなっている。地価ちかに加くわえ、建築けんちく資材しざいも値上ねあがりしていて、新あたらしい物件ぶっけんでは賃料ちんりょうが上あがることになるので、今後こんご、市内しないに引っ越ひっこししてくる人ひとの中なかには物件ぶっけんを借かりづらく感かんじる人ひとも出でてくるのではないか」と話はなしていました。

商業しょうぎょう地ち地価ちか上昇じょうしょう 要因よういんはインバウンド効果こうか

今回こんかい、商業しょうぎょう地ちの地価ちかを押し上おしあげた大おおきな要因よういんがインバウンド需要じゅようの回復かいふくです。

全国ぜんこくでも有数ゆうすうの繁華はんか街がい・銀座ぎんざがある東京とうきょう・中央ちゅうおう区くの商業しょうぎょう地ちの地価ちかは3.4％上昇じょうしょうしました。

コロナ禍かでのリモートワークの定着ていちゃくで、オフィスの縮小しゅくしょうなどが懸念けねんされ、去年きょねん、東京とうきょう23区くの商業しょうぎょう地ちで、唯一ゆいいつ、横よこばいにとどまりましたが、ことしは一転いってんして、観光かんこう需要じゅようの回復かいふくが地価ちかを押し上おしあげました。

インバウンド効果こうかが顕著けんちょに現あらわれたのは東京とうきょう・台東たいとう区くで、商業しょうぎょう地ちの地価ちかはプラス7.0％と東京とうきょう23区くで2番目ばんめの上昇じょうしょう率りつになりました。外国がいこく人じんに人気にんきの浅草あさくさがけん引けんいんし、

▽地下鉄ちかてつの浅草あさくさ駅えき付近ふきんの地点ちてんがプラス11.9％、

▽つくばエクスプレスの浅草あさくさ駅えき付近ふきんがプラス11.5％となるなど、都内とないの上昇じょうしょう率りつの上位じょうい4地点ちてんを浅草あさくさが占しめました。

インバウンド需要じゅようを取り込とりこもうという動うごきが活発かっぱつで、浅草寺せんそうじ近ちかくの飲食いんしょく店てんでは、英語えいご、中国ちゅうごく語ご、韓国かんこく語ごのメニューを用意よういし、外国がいこく語ごを話はなせる従業じゅうぎょう員いんもいて、来店らいてん客きゃくの半分はんぶん以上いじょうが外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくだということです。

アメリカから訪おとずれた男性だんせいは「初はじめて日本にっぽんを訪おとずれたが、浅草あさくさはとても景色けしきがいいのでいろいろ歩あるいてみたい」と話はなしていました。

運営うんえい会社かいしゃの染谷そめや孝雄たかお代表だいひょう取締役とりしまりやくは「外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくは一いち時期じき、ゼロに等ひとしい日ひもあったがコロナ前まえに戻もどったという印象いんしょうです。外国がいこくで働はたらいているのかと思おもうほどで、今後こんごも非常ひじょうに期待きたいしています」と話はなしていました。

ホテルの新規しんき開業かいぎょうも相次あいついでいます。

ホテルの市場しじょう調査ちょうさを行おこなっている民間みんかん企業きぎょう「メトロエンジン」によりますと、浅草あさくさがある台東たいとう区くではことしに入はいり少すくなくとも7軒けんのホテルが新あらたに開業かいぎょうしたということです。

ことし3月つきにオープンしたホテルは、新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいを受うけ、2020年ねん5月つきに予定よていしていた開業かいぎょう時期じきを延期えんきしていましたが、3年ねん越ごしで開業かいぎょうにこぎ着こぎつけました。

実際じっさいに歌舞伎かぶきで使つかわれていた「ひのき舞台ひのきぶたい」を食事しょくじ会場かいじょうに置おき時間じかん帯たいによっては芸者げいしゃの踊おどりなどを鑑賞かんしょうできるほか、歌舞伎かぶきの登場とうじょう人物じんぶつを描えがいたふすまやちょうちんを模もした明あかりを備そなえた2人にんで1泊はく8万まん円えんほどという部屋へやも用意よういしました。

それでも休日きゅうじつには200室しつがすべて埋うまることも多おおく、利用りよう者しゃの8割わり以上いじょうが外国がいこく人じんだということです。

香港ほんこんから旅行りょこうで訪おとずれた女性じょせいは「浅草あさくさは東京とうきょうでも有名ゆうめいな観光かんこう地ちで、買い物かいものや食事しょくじを楽たのしめました。円えん安やすもあって宿泊しゅくはく料りょうは割安わりやすで、高たかいとは感かんじません」と話はなしていました。

ホテルの池田いけだ誠まこと支配人しはいにんは「浅草あさくさの文化ぶんか発信はっしんをコンセプトにしていて、和わを感かんじる内装ないそうが喜よろこばれています。新型しんがたコロナが5類るいに移行いこうしてからは海外かいがいからの宿泊しゅくはく客きゃくも増ふえ、にぎわいを取り戻とりもどしました」と話はなしていました。

【QAで】「地価ちか調査ちょうさ」の結果けっかは？今後こんごの見通みとおしは？

今回こんかいの「都道とどう府県ふけん地価ちか調査ちょうさ」の結果けっかについて地価ちかの動向どうこうに詳くわしい不動産ふどうさん調査ちょうさ会社かいしゃ「東京とうきょうカンテイ」の井出いで武たけし上席じょうせき主任しゅにん研究けんきゅう員いんに聞ききました。

Q.住宅じゅうたく地ち・商業しょうぎょう地ちともに全国ぜんこく平均へいきんは2年ねん連続れんぞくで上昇じょうしょうとなりました。その要因よういんは？

A.新型しんがたコロナが5類るいに移行いこうし、人ひとの動うごきがいっそう活発かっぱつになった結果けっかが反映はんえいされ、去年きょねんから続つづく地価ちかの回復かいふくの流ながれが加速かそくした。新型しんがたコロナの影響えいきょうで地価ちかはいったんは下落げらくしたが、上昇じょうしょう基調きちょうはコロナ前まえの状況じょうきょうとほぼ近ちかい形かたちに戻もどったという印象いんしょうだ。

Q.住宅じゅうたく地ちの地価ちかは、三さん大だい都市とし圏けんを除のぞく「地方ちほう圏けん」でも31年ねんぶりにプラスに転換てんかんしました。

A.都心としん部ぶから地方ちほうに地価ちかの上昇じょうしょうが広ひろがったのがことしの特徴とくちょうだ。コロナの経験けいけんを経へて、リモートワークが定着ていちゃくする中なか、都心としんへのアクセスの良よい郊外こうがいのエリアで住宅じゅうたくを購入こうにゅうする人ひとが増ふえたことが全体ぜんたい的てきな地価ちかの押し上おしあげにつながった。

その一方いっぽうで、都市としの中心ちゅうしん部ぶで住宅じゅうたく価格かかくが上昇じょうしょうしたことで、「高たかくて買かえない」という人ひとが妥協だきょうするような形かたちで郊外こうがいで家いえを求もとめるというケースもあるのではないか。

Q.商業しょうぎょう地ちでは、観光かんこう地ちや繁華はんか街がいで地価ちかの上昇じょうしょうが目立めだっている。

A.外国がいこく人じん観光かんこう客きゃくによるインバウンド需要じゅようの回復かいふくが大おおきい。去年きょねんから国内こくないでは、「そろそろ旅行りょこうに行いってもいいのではないか」という動うごきがみられたが、ことしに入はいって、外国がいこくからも多おおくの観光かんこう客きゃくが来日らいにちし、そうした動うごきが加速かそくした。

観光かんこう客きゃくが戻もどったことで、一時いちじ休業きゅうぎょうしていた店舗てんぽが復活ふっかつするだけでなく、新あらたな出店しゅってんの動うごきがかなり活発かっぱつになってきた。

特とくにホテルの新規しんき開業かいぎょうの計画けいかくが目白押めじろおしの状態じょうたいで、そのための用地ようち取得しゅとくが地価ちかに反映はんえいしたとみている。

Q.東京とうきょう圏けんの地価ちかは16年ねんぶりの高たかい上昇じょうしょう率りつとなった。この結果けっかをどう見みる？

A.マンション価格かかくは、この10年ねんずっと上昇じょうしょうが続つづいてきたので、地価ちかの動うごきはやや遅おくれているとは見みていた。

マンションも一戸建いっこだても高額こうがくな物件ぶっけんが出でる一方いっぽう、買い手かいて側がわも積極せっきょく的てきになっているので、高たかい伸のびになったことは不思議ふしぎではない。

Q.そうは言いっても、行き過いきすぎではないかという懸念けねんも感かんじます。

A.確たしかに、今回こんかいの結果けっかについては、「上あがりすぎだ」と感かんじる部分ぶぶんもある。

マンションや戸建こだての供給きょうきゅうや価格かかくの実際じっさいの動うごきを見みていて、地価ちかがここまで面めん的てきに広ひろがっているのかなという印象いんしょうも持もっている。

地価ちかだけ上あがるといったような状況じょうきょうに陥おちいっている可能かのう性せいもあるので注意深ちゅういぶかく見みる必要ひつようがあると感かんじる。

Q.全体ぜんたいでは上昇じょうしょうとなっているものの、下落げらくが続つづいている地点ちてんも少すくなくない。

A.今回こんかいの調査ちょうさで、上昇じょうしょうと下落げらくの二に極きょく化かがよりはっきりしてきたのではないか。

地方ちほうでも県庁けんちょう所在地しょざいちなど交通こうつうアクセスがよく、大型おおがた商業しょうぎょう施設しせつが立地りっちしているような場所ばしょは地価ちかの上昇じょうしょうがみられるが、デパートが閉店へいてんするなどにぎわいが失うしなわれる場所ばしょは下落げらくが続つづいている。

交通こうつうインフラや商業しょうぎょうインフラといった生活せいかつに直結ちょっけつした利便りべん性せいの有無うむによって地価ちかがある程度あるていど、左右さゆうされている。

一方いっぽうで、県庁けんちょう所在地しょざいちでなくても、子育こそだての支援しえんに力ちからを入いれている所ところは、子こどもの人口じんこうが増ふえ、定住ていじゅう人口じんこうが増ふえることの証あかしとなっているので、それを反映はんえいして地価ちかが上昇じょうしょうしている地点ちてんも多おおい。

Q.今後こんごの地価ちかの見通みとおしは？

A.新型しんがたコロナが5類るいに移行いこうしてからは観光かんこうの動うごきや工場こうじょう進出しんしゅつが活発かっぱつになっている上うえ、交通こうつう網もうの整備せいびも進すすんでいるので、当面とうめんは上昇じょうしょう局面きょくめんが続つづくとみているが、地価ちかの動うごきと実体じったい経済けいざいとのかい離かいりが進すすんでいないかどうか、改あらためて確認かくにんしておく必要ひつようがある。