千葉県柏市の
国立がん
研究センター東病院に
勤務していた
医師が、
東京の
メーカーの
医療機器を
手術で
使う見返りに
現金を
受け取ったとして
逮捕された
事件で、
現金の
対価とされた
医師が
行う医療機器の
調査に
実態がなかったことが
捜査関係者への
取材でわかりました。
警視庁は
賄賂の
意図を
隠す目的で
調査を
偽装したとみて
調べています。
千葉県柏市の国立がん研究センター東病院で「医長」を務めていた橋本裕輔容疑者(47)は、おととし、東京 千代田区の医療機器メーカー「ゼオンメディカル」の医療機器を手術で使う見返りに現金およそ170万円を受け取ったとして収賄の疑いで、メーカーの元社長柳田昇容疑者(67)は、贈賄の疑いでそれぞれ逮捕されました。
これまでの調べで、橋本医師はカテーテル治療で使う「ステント」という機器の操作性などをメーカー側にフィードバックする調査報告の対価として1本使うごとに1万円の謝礼を受け取る契約を個人で結んでいたことがわかっています。
捜査関係者によりますと、橋本医師が調査報告のために作成したリポートには形式的な内容しか書かれておらず調査に実態はなかったほか、メーカー側にもフィードバックを受けて機器の改良などを行った形跡は確認できなかったということです。
警視庁は契約の段階から賄賂の意図を隠す目的で調査を偽装していたとみて癒着の実態を調べています。