領土の奪還を目指して反転攻勢を続けるウクライナ軍は、このところクリミアにあるロシアの軍事施設への攻撃を強めています。
ウクライナ国防省は22日、ロシアが一方的に併合した南部クリミアの軍港都市セバストポリにあるロシア海軍の黒海艦隊の司令部に対する攻撃が成功したとSNSで発表しました。
詳細は明らかにしていませんが、これに先立ってロシア国防省は、黒海艦隊の司令部の施設がミサイル攻撃を受けて損壊したと発表していました。
また、この攻撃で、兵士1人の安否が確認されていないとしています。
ウクライナ軍は、今月13日にはロシアの揚陸艦や潜水艦に損傷を与えたとしたほか、20日にも黒海艦隊の司令部に対するミサイル攻撃が成功したと発表するなど、このところクリミアにあるロシアの軍事施設などへの攻撃を強めています。
またイギリス国防省は22日に発表した分析の中で、モスクワ近郊のチカロフスキー空軍基地で18日、航空機2機とヘリコプター1機が工作員によって爆破されたというウクライナ側が発信している情報について触れ、この基地はロシアの政府専用機も発着することから「ロシア指導部にとって懸念となる可能性が高い」と指摘しています。
そのうえで、ロシア側もウクライナ各地への長距離攻撃を繰り返しているとして、前線での戦闘がこう着するなか、ロシアとウクライナの双方が後方の空軍基地や補給拠点など、相手の戦略的な要所を攻撃することで優位に立とうとしていると分析しています。