USGS＝アメリカの地質ちしつ調査ちょうさ所しょによりますと、8日にち深夜しんや、日本にっぽん時間じかんの9日にち午前ごぜん7時じすぎ、モロッコ中部ちゅうぶのマラケシュから70キロほど離はなれた内陸ないりく部ぶを震源しんげんとする、マグニチュード6.8の地震じしんがありました。

モロッコの国営こくえいメディアは、内務省ないむしょうの話はなしとして、これまでに2012人にんが死亡しぼうし、2059人にんがけがをしたと伝つたえています。

震源しんげん地ちに近ちかいモロッコ中部ちゅうぶマラケシュでは、停電ていでんも起おきておらず、飲食いんしょく店てんなどは営業えいぎょうを続つづけている様子ようすが見みられましたが、ユネスコの世界せかい遺産いさんに登録とうろくされている旧きゅう市街しがいでは複数ふくすうの建物たてものに被害ひがいが出でました。

29歳さいの男性だんせい医師いし「医療いりょう物資ぶっしも足たりず支援しえんが必要ひつよう」

マラケシュの大学だいがく病院びょういんには、けがをした人ひとたちが次々つぎつぎに搬送はんそうされ、医療いりょう関係かんけい者しゃが慌あわただしく対応たいおうに当あたっていました。

なかにはマラケシュから離はなれた地域ちいきから搬送はんそうされてきた人ひともいて救急きゅうきゅう車しゃが到着とうちゃくするたびに緊迫きんぱくした雰囲気ふんいきとなっていました。

病院びょういんに勤務きんむする29歳さいの男性だんせい医師いしは「被害ひがいを受うけたマラケシュ周辺しゅうへんの広ひろい地域ちいきから多おおくの人ひとが病院びょういんに搬送はんそうされてきている。懸命けんめいに対応たいおうしているが限界げんかいがあり、医学いがく生せいも加くわわり対応たいおうしている。輸血ゆけつ用ようの血液けつえきも医療いりょう物資ぶっしも足たりず支援しえんが必要ひつようだ」と話はなしていました。

病院びょういんの敷地しきち内ないには市民しみんが持ち寄もちよった支援しえん物資ぶっしの集積しゅうせき場所ばしょが設もうけられていて、集あつまったボランティアの人ひとたちが水みずや食料しょくりょうなどの物資ぶっしを袋ふくろに小分こわけにしたうえで、被害ひがいが大おおきかったという地域ちいきまで届とどける車くるまに積み込つみこんでいました。

支援しえん物資ぶっしの輸送ゆそうを手伝てつだうボランティアの20代だいの男性だんせいは、「道路どうろが封鎖ふうさされていて物資ぶっしが届とどけられないところもあるが、救急きゅうきゅう車しゃに支援しえん物資ぶっしを託たくして届とどけてもらっている。外そとで寝ねている人ひとも多おおいのでテントなどもこれから必要ひつようになる」と話はなしていました。

観光かんこうに訪おとずれた60代だい女性じょせい「大おおきな揺ゆれで恐おそろしくパニックになった」

フランスから観光かんこうに訪おとずれていた60代だいの女性じょせいは「昨夜さくやはマラケシュの郊外こうがいにいたが大おおきな揺ゆれで恐おそろしくパニックになった。屋内おくないにいるのが怖こわく、一夜いちやを車くるまの中なかで過すごした。また夜よるに余震よしんが来くると怖こわいので予定よていを早はやめて帰国きこくするかどうか検討けんとうしている」と話はなしていました。

また、広場ひろばの周辺しゅうへんでも複数ふくすうの建物たてものに被害ひがいが出でていて、このうち、カフェなどが入はいる建物たてものは、2階かいの床ゆかの部分ぶぶんが抜け落ぬけおち、いすなどが散乱さんらんしていました。

旧きゅう市街しがいではほかの場所ばしょでも外壁がいへきや建物たてものの一部いちぶが崩れ落くずれおちて、がれきが道路どうろに散乱さんらんするなどしていました。

地震じしんが起おきた際さい、近ちかくにいたという50代だいのモロッコ人じんの男性だんせいは、「想像そうぞうもしないひどい揺ゆれだった。大人おとなも子こどもも朝あさまで外そとに避難ひなんしていた。1時間じかん前まえまで滞在たいざいしていた喫茶店きっさてんが大おおきく壊こわれていたことを後あとで知しり、ショックだった」などと話はなしていました。

日本にっぽんの外務がいむ省しょうによりますと、これまでのところ日本人にっぽんじんが被害ひがいにあったという情報じょうほうはないということです。

現地げんちでは、本格ほんかく的てきな救助きゅうじょ活動かつどうが始はじまっていますが、被害ひがいが大おおきい山やま沿ぞいでは救助きゅうじょが難航なんこうすることも予想よそうされています。