「年収ねんしゅうの壁かべ」は、配偶はいぐう者しゃの扶養ふように入はいりパートなどで働はたらく人ひとが、一定いっていの年収ねんしゅう額がくを超こえると扶養ふようを外はずれて、社会しゃかい保険ほけん料りょうの負担ふたんが生しょうじ、手取てどりの収入しゅうにゅうが減へるもので、人手ひとで不足ふそくの要因よういんとも指摘してきされています。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは25日にち、厚生こうせい年金ねんきんが適用てきようされる企業きぎょうなどで働はたらく人ひとが扶養ふようを外はずれる「106万まん円えんの壁かべ」への対応たいおうとして、手取てどりが減へらないように手当てあてを支給しきゅうしたり、賃上ちんあげを行おこなったりした企業きぎょうに対にたいし、従業じゅうぎょう員いん1人にんあたり最大さいだい50万まん円えんを助成じょせいする対策たいさくを、来月らいげつから実施じっしする方針ほうしんを明あきらかにしました。

また、厚生こうせい年金ねんきんが適用てきようされていない企業きぎょうなどで働はたらく人ひとが、扶養ふようを外はずれてみずから国民こくみん年金ねんきんなどの保険ほけん料りょうを支払しはらうようになる「130万まん円えんの壁かべ」についても、一時いちじ的てきな増収ぞうしゅうであれば、連続れんぞくして2年ねんまでは扶養ふようにとどまれるようにする方向ほうこうで調整ちょうせいが進すすめられています。

ただ、こうした対策たいさくは、扶養ふように入はいらずに社会しゃかい保険ほけん料りょうを負担ふたんしている自営業じえいぎょう者しゃの配偶はいぐう者しゃなどとの公平こうへい性せいに欠かけるという指摘してきもあります。

このため、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは今後こんご、厚生こうせい年金ねんきんの加入かにゅう要件ようけんや扶養ふようのあり方ありかたなど、制度せいどの抜本ばっぽん的てきな見直みなおしについても検討けんとうする方針ほうしんで、誰だれもが「壁かべ」を意識いしきせずに働はたらける環境かんきょうを実現じつげんしたいとしています。