IAEAの年次ねんじ総会そうかいは25日にち午前ごぜん10時じすぎ、日本にっぽん時間じかんの25日にち午後ごご5時じすぎからオーストリアの首都しゅとウィーンで始はじまりました。

冒頭ぼうとう、グロッシ事務じむ局長きょくちょうは、東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょの処理しょり水すいの放出ほうしゅつをめぐり「IAEAは独立どくりつした立場たちばから状況じょうきょうの評価ひょうかや分析ぶんせき活動かつどうを行おこなっている。そのために現地げんちに事務所じむしょも設もうけ、作業さぎょうによる影響えいきょうが出でないように最後さいごまで関与かんよする」と述のべ、今後こんごも監視かんしや評価ひょうか活動かつどうを続つづける方針ほうしんを示しめしました。

総会そうかいでは各国かっこくの代表だいひょうが演説えんぜつを行おこない、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの処理しょり水すいの放出ほうしゅつをめぐり、どのような反応はんのうを示しめすかが注目ちゅうもくされています。

中国ちゅうごく代表だいひょう 処理しょり水すいを“核かく汚染おせん水すい”日本にっぽんを強つよく非難ひなん

このうち中国ちゅうごく国家こっか原子力げんしりょく機構きこうの劉りゅう敬たかし副ふく主任しゅにんは、東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょの処理しょり水すいを「核かく汚染おせん水すい」と呼よんだうえで「日本にっぽんは関係かんけい国こくの人々ひとびとの強つよい反対はんたいをかえりみず、海うみへの放出ほうしゅつ計画けいかくを始はじめ、国際こくさい社会しゃかいの幅広はばひろい懸念けねんを引き起ひきおこした」と日本にっぽんを強つよく非難ひなんしました。

高市たかいち科学かがく技術ぎじゅつ相しょう“中国ちゅうごくは科学かがく的てきに根拠こんきょのない情報じょうほう拡散かくさん”

これに対にたいして、日本にっぽんの高市たかいち科学かがく技術ぎじゅつ担当たんとう大臣だいじんは「IAEAのレビューで日本にっぽんの取り組とりくみは科学かがく的てき基準きじゅんに照てらして安全あんぜんであるという結論けつろんが示しめされている。日本にっぽん政府せいふは科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづき高たかい透明とうめい性せいをもって国際こくさい社会しゃかいに対にたいして丁寧ていねいに説明せつめいしていて、幅広はばひろい地域ちいきが日本にっぽんの取り組とりくみを理解りかいし支持しじしている」と述のべました。

そのうえで「IAEAの継続けいぞく的てきな関与かんよのもと、『最後さいごの一滴いってき』の海洋かいよう放出ほうしゅつが終おわるまで安全あんぜん性せいを確保かくほし続つづける」と述のべ、改あらためて国際こくさい社会しゃかいの理解りかいと支持しじを求もとめました。

さらに高市たかいち大臣だいじんは中国ちゅうごくの演説えんぜつに反論はんろんして「IAEAに加盟かめいしながら事実じじつに基もとづかない発信はっしんや突出とっしゅつした輸入ゆにゅう規制きせいをとっているのは中国ちゅうごくのみだ」と述のべ、中国ちゅうごくに対にたいし「科学かがく的てき根拠こんきょに基もとづく行動こうどうや正確せいかくな情報じょうほう発信はっしん」を求もとめました。

さらに中国ちゅうごくの代表だいひょうが発言はつげんの機会きかいを求もとめ、環境かんきょうや人体じんたいへの影響えいきょうに関にかんする日本にっぽんの説明せつめいが不十分ふじゅうぶんだなどと主張しゅちょうしたのに対にたいし、日本にっぽんの引原ひきはら大使たいしは「安全あんぜん性せいは日々ひびのモニタリングで証明しょうめいされている。中国ちゅうごくのいくつかの原発げんぱつから年間ねんかんに放出ほうしゅつされるトリチウムは福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつから放出ほうしゅつされる計画けいかくの量りょうの5倍ばいから10倍ばいにのぼる」などと反論はんろんしました。

高市たかいち大臣だいじんはアメリカなどの代表だいひょうと個別こべつに会談かいだんしたあと記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ、放出ほうしゅつについて「幅広はばひろい支持しじが得えられていると感かんじた。個別こべつの会談かいだんでもそう感触かんしょくを得えたし、演説えんぜつで日本にっぽんを批判ひはんしたのは中国ちゅうごくだけであることからみても理解りかいは広ひろがっていると思おもう」と述のべ、国際こくさい社会しゃかいの理解りかいと支持しじを広ひろげる努力どりょくを続つづける姿勢しせいを示しめしました。

総会そうかいは今月こんげつ29日にちまで行おこなわれ、ロシア軍ぐんが占拠せんきょを続つづけるウクライナ南部なんぶのザポリージャ原子力げんしりょく発電はつでん所しょの安全あんぜんの確保かくほや、イランの核かく開発かいはつなどについても各国かっこくから発言はつげんが相次あいつぐとみられます。