水俣病と
認定されておらず、
救済策の
対象にもならなかった
関西などに
住む熊本と
鹿児島出身の120
人余りが、
国と
熊本県、それに
原因企業に
賠償を
求めた
裁判の
判決で、
大阪地方裁判所は、
国などに
賠償を
命じました。
裁判では、
住んでいた「
地域」や「
年代」で
救済対象を
区切った
特別措置法の
基準の
妥当性などが
争われ、
全国4
か所で
起こされている
集団訴訟で
判決が
言い渡されたのは
初めてです。
特措法対象外の人の集団訴訟で賠償命令
訴えを起こしていたのは、昭和30年代から40年代にかけて水俣病が発生した熊本県や鹿児島県に住み、その後、大阪や兵庫などに移り住んだ50代から80代の128人です。
水俣病特有の手足のしびれなどの症状があるにもかかわらず、平成21年(2009年)に施行された水俣病に認定されていない人を救済する特別措置法で、住んでいた「地域」や、「年代」によって救済の対象外とされたため、不当だとして、国と熊本県、それに原因企業のチッソに1人あたり450万円の賠償を求めていました。
27日の判決で、大阪地方裁判所の達野ゆき裁判長は、国などに賠償を命じました。
国の救済策の基準の妥当性などが争われた集団訴訟は、熊本と新潟、それに東京でも起こされていて、判決が言い渡されたのは初めてです。
原告・支援者たちは
判決が言い渡されると、大阪地方裁判所の前では、弁護士2人が「勝訴」、「国・熊本県の患者切り捨てを断罪」と書かれた紙を掲げました。
裁判所の前に集まった原告や支援者などからは、「すごい」とか「やっとだ」といった喜びの声とともに拍手が起こりました。
また、中には、目に涙を浮かべながら、両手をあげて喜びをかみしめている人もいました。
国は “今後の対応を検討”
水俣病に関する補償や施策などを担当する環境省は、判決を受けて「判決の詳細は把握していないが、国の主張が認められなかったものと承知している。今後、判決の内容について精査し、関係者と協議しつつ、対応を検討したい」とコメントしています。