1956年ごろから、熊本県水俣市などで近くの海の魚を食べた大勢の人が「水俣病」になって、問題になりました。水俣病は手や足がしびれて、体が動かなくなる病気です。原因は、工場が海に捨てた水に入っていた水銀でした。
27日、水俣病と同じような症状があるのに、国の基準で水俣病だと認められなかった人たちが、国と熊本県と工場の会社を訴えた裁判がありました。
この人たちは、1956年ごろから20年ぐらいの間に熊本県や鹿児島県に住んでいて、関西などに引っ越した128人です。住んでいた場所や生まれた年で水俣病だと認めないのはおかしいと言っています。
大阪地方裁判所は「国の基準と違っても、水銀で汚染された魚を食べ続けたら、水俣病になる可能性があります」と言って、128人みんなを水俣病だと認めました。そして「国などは1人に275万円、全部で約3億5000万円を払いなさい」と言いました。