「ハヤテ223（ふじさん）」と「新潟にいがたアルビレックス・ベースボール・クラブ」。

なぜ静岡しずおか？新潟にいがた？どんなチームに？気きになるギモンに答こたえます。

65年ねんぶりに新規しんき参入さんにゅうが内定ないてい

プロ野球やきゅうでは、2軍ぐんの公式こうしき戦せんが、イースタン・リーグ7球団きゅうだんとウエスタン・リーグ5球団きゅうだんに分わかれて行おこなわれていますが、野球やきゅうのすそ野すそのを広ひろげることを目的もくてきに2軍ぐんの試合しあいに参加さんかする新あらたな球団きゅうだんを公募こうぼし、3つの企業きぎょうなどが申請しんせいしていました。

NPB＝日本にっぽん野球やきゅう機構きこうと12球団きゅうだんによる実行じっこう委員いいん会かいは申請しんせいを元もとに経営けいえい計画けいかくやチーム編成へんせいの方針ほうしんなどのヒアリング、さらに本拠地ほんきょちとなる球場きゅうじょうなどを視察しさつして審査しんさを進すすめてきました。

そして29日にち、都内とないで行おこなわれたオーナー会議かいぎで、静岡しずおか市しを本拠地ほんきょちとする球団きゅうだんの創設そうせつを目指めざす「ハヤテ223」と、独立どくりつリーグ、BCリーグの「新潟にいがたアルビレックス・ベースボール・クラブ」の2つの球団きゅうだんが来年らいねんから2軍ぐんの試合しあいに参加さんかすることが内定ないていしました。

「ハヤテ223」がウエスタン・リーグに、「新潟にいがたアルビレックス・ベースボール・クラブ」がイースタン・リーグに参加さんかするということです。

会議かいぎの後のちに行おこなわれた会見かいけんでオーナー会議かいぎの議長ぎちょうを務つとめる西武せいぶの後藤ごとう高志たかしオーナーは「内定ないていという段階だんかいだがすそ野すその拡大かくだいと地域ちいき振興しんこうについて大変たいへん期待きたいしている。ただ、一方いっぽうで言いえば解決かいけつするべき課題かだいもあるので1つ1つ解決かいけつしてよりよい形かたちでやっていきたい」と話はなしていました。

国内こくないのプロ野球やきゅうでは65年ねんにわたって12球団きゅうだんで行おこなわれてきましたが、今回こんかい、2軍ぐんではあるものの来らいシーズンから14球団きゅうだんに拡大かくだいしてリーグ戦せんが行おこなわれることになります。

「ハヤテ223」は、どんなチーム？ 代表だいひょうは？

「ハヤテ223（ふじさん）」は、東京とうきょうで金融きんゆう業ぎょうやベンチャー企業きぎょうへの投資とうし事業じぎょうなどを手てがける「ハヤテグル－プ」を親会社おやがいしゃとする新しん球団きゅうだんです。

ハヤテグループ 杉原すぎはら行こう洋よう（すぎはら・ゆきひろ）代表だいひょう

会社かいしゃのホームページによりますと、杉原すぎはら社長しゃちょうは東京とうきょう大学だいがくを卒業そつぎょう後ご、ゴールドマン・サックス証券しょうけんにてトレーディング業務ぎょうむに従事じゅうじ。国内こくない金融きんゆう機関きかんを経へて、2005年ねんに「ハヤテグループ」を創業そうぎょう。

会社かいしゃのホームページでは「野球やきゅう振興しんこうに加くわえて、地域ちいき振興しんこう、ひいては『このような挑戦ちょうせんが許ゆるされるのだ』と　日本にっぽん社会しゃかいの『温度おんど』が上あがることが我々われわれの目指めざすところです」と参加さんかの意図いとを説明せつめいしています。

一方いっぽうで、チームに参加さんかする選手せんしゅや監督かんとくは決きまっていません。

今後こんご、プロ野球やきゅうを戦力せんりょく外がいとなった選手せんしゅを集あつめたり、トライアウトを行おこなったりして、具体ぐたい的てきなチーム作づくりを進すすめることになります。

来年らいねん3月つきから始はじまるリーグ戦せんを前まえに十分じゅうぶんな戦力せんりょくを整ととのえることができるのかが課題かだいです。

なぜ静岡しずおかに？

今回こんかい、2軍ぐんの公式こうしき戦せんへの参加さんかを目指めざす企業きぎょうなどは収支しゅうし計画けいかくなどの経営けいえい面めんや球場きゅうじょうの確保かくほといった試合しあいの運営うんえい面めん、選手せんしゅや監督かんとく・コーチの確保かくほなどの編成へんせいや育成いくせい面めんについて審査しんさされました。

本拠地ほんきょちの球場きゅうじょうは現在げんざい、12球団きゅうだんが拠点きょてんとしている都道とどう府県ふけんに置おくことはできません。

「ハヤテグループ」が新しん球団きゅうだんの創設そうせつを目指めざす中なかで、経済けいざい規模きぼが大おおきく、新幹線しんかんせんなどのアクセスがいいことから静岡しずおか市しに拠点きょてんを置おくことを検討けんとうし、市し側がわも球団きゅうだんの誘致ゆうち活動かつどうを積極せっきょく的てきに行いっていたことなどから、ことし7月つきには県けんも交まじえた3者しゃで新しん球団きゅうだん創設そうせつに向むけて連携れんけいする協定きょうていを結むすんだ上うえで、参加さんか球団きゅうだんの公募こうぼに申請しんせいしました。

地元じもと住民じゅうみんに親したしんでもらいたいと静岡しずおかを代表だいひょうする富士山ふじさんを名称めいしょうに取り入とりいれたということで、静岡しずおか市し清水しみず区くにある清水しみず庵原いはら球場きゅうじょうを本拠地ほんきょちとする予定よていです。

“サッカーのまち” 地元じもとの声こえは？

新しん球団きゅうだんの本拠地ほんきょちの連合れんごう自治じち会かいの山梨やまなし滋しげる巳み会長かいちょう

「2軍ぐんだけのチームをどのように運営うんえいしていくのかという関心かんしんはありますが、多おおくの人ひとが訪おとずれたりプロの選手せんしゅたちがイベントに参加さんかしてくれたりすれば、地域ちいきの活性かっせい化かにつながると思おもいます」

地元じもとの62歳さい女性じょせい

「清水しみずはサッカーのまちですが、私わたしは野球やきゅうが好すきで春はるの甲子園こうしえんにも母校ぼこうの応援おうえんに行いきました。試合しあいを何なん回かいも見みに行いきたいしいまからシーズンの開幕かいまくが楽たのしみです」

地元じもとの31歳さい女性じょせい

「子こどもにとっては高たかいレベルのプレーが見みられるのはいいと思おもいます。正直しょうじきに言いえば関心かんしんは野球やきゅうよりもサッカーですが、盛り上もりあがりをみせれば見みに行いくかもしれません」

「新潟にいがたアルビレックスBC」は、どんなチーム？

「新潟にいがたアルビレックス・ベースボール・クラブ」は、サッカーJ1「アルビレックス新潟にいがた」の経営けいえい者しゃらが発起ほっき人ひととなり2006年ねんに設立せつりつした野球やきゅうのクラブチームです。

独立どくりつリーグ・BCリーグに所属しょぞくし、以前いぜんはヤクルトの高津たかつ臣しん吾われ監督かんとくも指揮しきを執とったことがあるほか、DeNAでプレーする知野ちの直人なおと選手せんしゅなど、プロ野球やきゅうにこれまでに7人にんの選手せんしゅを輩出はいしゅつしています。

池田いけだ拓たく史し社長しゃちょうは、ことし6月つき、野球やきゅうを通つうじた地域ちいき活性かっせい化かのためイースタン・リーグに来年らいねんから参加さんかすることを目指めざし、2軍ぐんの参加さんか球団きゅうだんの公募こうぼに申請しんせいする考かんがえを明あきらかにしていました。

10年ねん以上いじょうにわたり独立どくりつリーグの球団きゅうだんとして運営うんえいしてきた実績じっせきがあり、1から選手せんしゅやスタッフを集あつめる必要ひつようがないことがメリットです。

その一方いっぽうで、BCリーグのおよそ2倍ばいにあたる年間ねんかん140試合しあいを運営うんえいする体制たいせいの整備せいびや県けん外がいでの試合しあいも増ふえるため遠征えんせい費ひや宿泊しゅくはく費ひなど資金しきんの工面くめん、それに戦力せんりょく強化きょうかをどのように進すすめていくかなど課題かだいが残のこっています。

2球団きゅうだんの選手せんしゅは、どこから？

チームに加くわえられる選手せんしゅの条件じょうけんも定さだめられています。

▽プロ野球やきゅうのドラフト会議かいぎで指名しめいされていない選手せんしゅ、▽プロ野球やきゅうの12球団きゅうだんにこれまでに所属しょぞくしていた選手せんしゅ、▽外国がいこく人じん選手せんしゅが対象たいしょうで、プロ野球やきゅうのドラフト会議かいぎで指名しめい漏もれとなった選手せんしゅや12球団きゅうだんを戦力せんりょく外がいとなった選手せんしゅなどが想定そうていされます。

新規しんきに参加さんかする球団きゅうだんの選手せんしゅでこれまでプロ野球やきゅうでプレーしたことがない選手せんしゅが12球団きゅうだんに入団にゅうだんするためには、ドラフト会議かいぎで指名しめいされる必要ひつようがあるということです。

それ以外いがいの選手せんしゅについては、人数にんずうを制限せいげんした上うえで、シーズン中ちゅうに12球団きゅうだんへ移籍いせきすることも可能かのうになる見通みとおしだということです。

これまでの球団きゅうだんの変遷へんせんは？

プロ野球やきゅうは戦後せんごの1950年ねんのシーズンから現在げんざいの2リーグ制せいに移行いこうし、セ・リーグせり-ぐ8球団きゅうだん、パ・リーグぱり-ぐ7球団きゅうだんの15球団きゅうだんでスタートしました。

2リーグ制せい移行いこう後ごしばらくは球団きゅうだん数すうは増減ぞうげんを繰り返くりかえしましたが1958年ねんのシーズンから現在げんざいと同おなじセ・パ6球団きゅうだんずつの12球団きゅうだんになりました。

その後そのご、60年ねん以上いじょうにわたって、買収ばいしゅうなどにより親会社おやがいしゃが変かわることなどはあっても、今回こんかいのように外部がいぶから新あらたな球団きゅうだんが加くわわることはありませんでした。

大リーグだいり-ぐが1960年代ねんだい以降いこうに当時とうじの16球団きゅうだんから現在げんざいの30球団きゅうだんまで「エクスパンション」と呼よばれる球団きゅうだん数すうの拡大かくだいを続つづけてきたのとは一線いっせんを画かくしています。