また現在の事務所については名称を変更して被害者への補償を担っていく方向で調整しているということで、事務所は2日午後の記者会見でこうした内容について詳しく説明するものとみられます。
4年前に死去したジャニー喜多川氏の性加害問題で、ジャニーズ事務所は先月7日に記者会見を開き、性加害について初めて認めて謝罪したうえで被害者への補償を行うことなどを明らかにしました。
その後、取引先の企業の間では所属タレントの広告での起用を見直す動きなどが広がり、一部のテレビ局からはジャニー喜多川氏の名前に由来する社名の変更の検討を求める申し入れなども行われています。
こうした中、事務所が新しい会社を設立し、タレントのマネージメントなどを行ってきた現在の事務所の機能を移すことを検討していることが関係者への取材でわかりました。
また、現在の事務所については名称を変更して被害者への補償を担っていく方向で調整しているということです。
事務所は2日午後2時に都内で記者会見を開き、こうした内容に加え、被害者への補償の方針や再発防止策などについて詳しく説明するものとみられます。
識者「新会社は第三者の視点入れた新体制できるかが注目点」
ジャニーズ事務所の会見を前に、会社法が専門の関西学院大学の伊勢田道仁 教授は「仮にジャニーズ事務所が新しい会社を作るのであれば、事業を移行することで所属タレントの活動も一定の保障ができ、事務所は被害者への補償などの事業のみを行う会社として残せば、被害対応ができることになる」という見方を示しました。
一方、「ガバナンスの視点から見るとこれだけでは問題が残る」とした上で「新会社を立ち上げる方向なら、譲渡する事業の対価をどうするか、新会社の株主や経営者は誰か、藤島ジュリー氏が新会社の株式を保有するのかなど、ジャニーズ事務所の影響力を排除して、どれだけ第三者の視点を入れた新体制ができるかが注目点となる。それができれば刷新感が出て、経営の透明性や同族経営による弊害が避けられるのではないか」と指摘しています。
そして、影響の広がりを受けて「結果的に多くの日本企業が事務所との契約の見直しをせざるを得なかった事実は、未成年者に対する性加害を許容すべきではないとして、取引先で生じた人権侵害への企業の対応に厳しい目を向ける人が増えていることを示している。取引企業の影響力は大きく、単に契約を打ち切るだけでなく継続的に事務所の経営のあり方に影響力を行使していくことは非常に重要だ」と指摘しています。