長野市の
公園「
青木島遊園地」は18
年前、
市が
地区からの
要望を
受けて
民有地を
借り上げる形で
整備しましたが、1
軒の
家から「
子どもの
声がうるさい」
などと
訴えが
続いていました。
その後、公園の利用者は減り、地元からも廃止の要望書が出たことから、市は今月末で閉鎖することを決めました。
9日の市議会の一般質問で、議員から公園の存続を求める意見が出たのに対して、荻原市長は「18年間という長い期間は、多くの住民の子どもの居場所を確保したいという思いの表れだ。地域の話し合いの結果、廃止の要望が出され、非常に苦しい判断だったがこのまま手続きを進める。子育て支援に力を入れる一方、住民の声に耳を傾けるのが行政の役割だ」と述べ、閉鎖する方針に変わりはないという考えを示しました。
市によりますと、子どもたちは代わりの遊び場所として、近くの小学校の校庭や別の公園を利用できる状態だということです。
また、荻原市長は「SNSなどで個人を攻撃するような書き込みが見受けられ大変危惧している。そういったことがないよう皆さんにお願いしたい」と呼びかけました。
都市計画の専門家「公園整備後も継続的に合意形成を」
長野市が
公園を
閉鎖することについて、
都市計画などが
専門で
子どもの
遊び場に
詳しい関東学院大学の
中津秀之准教授は「
公園の
利用者の
声に、
働いているときには
在宅時間が
少なく
気付かなくても、
引退して
自宅にいるようになってから、
騒音と
感じるケースも
多い。こうした
訴えに
耳を
傾けて
継続的に
合意形成を
図ることが
重要だ」と
述べ、
公園を
整備する
時だけでなく、
整備後も
住民たちの
立場や
考えの
変化に
応じて、
合意を
得ることの
必要性を
指摘しています。
そのうえで、合意が得やすくなるポイントとして「地域にふだんからいろいろな会話ができる人間関係があれば、子どもの声もあまりストレスや怒りにつながらないのではないか。また、行政にも、住民の意見を受け止めながら、調整する仲介役としての役割を果たすことが求められる」と話していました。