生理せいり食しょく塩水えんすいに漬つけた鶏肉けいにくの上うえにボタン電池でんちを置おくと、肉にくが溶とけていきます。

電気でんき分解ぶんかいで強つよいアルカリ性あるかりせいの液体えきたいが作つくられて、たんぱく質たんぱくしつを溶とかしてしまうのです。

人ひとの体内たいないに入はいった場合ばあいは、1時間じかん以内いないに食道しょくどうや胃いなどの粘膜ねんまくを傷きずつけ、時間じかんがたつほど傷いたも大おおきくなっていきます。

中なかでも注意ちゅういが必要ひつようなのは、食道しょくどうでの引ひっかかりです。

「食道しょくどうの壁かべは非常ひじょうに薄うすく、その奥おくには心臓しんぞうや肺はいなど大事だいじな臓器ぞうきもあります。そういったところが損傷そんしょうして穴あながあいてしまうと、結果けっかとして命いのちに関かかわるような大おおきな事態じたいになり得える。非常ひじょうに危険きけんです」

日本にっぽん中毒ちゅうどく情報じょうほうセンターに寄よせられる5歳さい以下いかの子こどもの誤あやま飲いん・誤あやま飲いんの疑うたがいの通報つうほう件数けんすうは年間ねんかん100件けんを超こえています。

病院びょういんで全身ぜんしん麻酔ますいをかけて取り除とりのぞかなければならず、小ちいさな体からだには負担ふたんがかかります。

アメリカをはじめ海外かいがいでは死亡しぼう事故じこも起おきていて、ボタン電池でんちの誤あやま飲いんの危険きけん性せいは世界中せかいじゅうで啓発けいはつされているのです。

おう吐おうとしたものが気管きかんに逆流ぎゃくりゅうして窒息ちっそくする原因げんいんにもなるので、ボタン電池でんちを飲のんだ場合ばあいはすみやかに病院びょういんを受診じゅしんしてほしいと話はなしています。

事故じこの報告ほうこくの多おおい順番じゅんばんではキッチンタイマー、補聴器ほちょうき、ライト、体温計たいおんけい、電卓でんたく、時計とけいとなっています。

また、おもちゃの中なかにも、子こどもの力ちからで電池でんちのフタが簡単かんたんにあいてしまうものがあります。

「特とくにこの20年間ねんかん、リチウムボタン電池でんちが登場とうじょうしてリスクが高たかくなったと言いわれています。それまでのアルカリボタン電池でんちと比くらべて電圧でんあつが3ボルトと非常ひじょうに高たかく、それだけ粘膜ねんまくを傷きずつけてしまう力ちからが非常ひじょうに強つよいんです。直径ちょっけいも大おおきいので、子こどもの食道しょくどうに引っ掛ひっかかりやすく、とどまると、より傷きずつけやすくなります」

祖父母そふぼ世代せだいが昔むかし、育児いくじをしていた時代じだいは、電池でんちの誤あやま飲いんはそこまで問題もんだい視しされていませんでした。

年末ねんまつ年始ねんしなどに小ちいさな孫まごが遊あそびに来くるおじいちゃんおばあちゃんもぜひ注意ちゅういしてください。

　ネジが付ついているなど電池でんちのフタが簡単かんたんにあかないようになっています。

　おもちゃは「STマーク」を目安めやすに選えらぶと安全あんぜんです。

●自宅じたくにあるもののうち、どの製品せいひんにボタン電池でんちが使つかわれているかチェックし、フタが簡単かんたんにあくものはテープで巻まいてください。

　子こどもの手ての届とどかないところに、しまいましょう。

●電池でんちを交換こうかんする時ときは子こどもにその様子ようすを見みせないように。

　大人おとなのまねをしてフタをあけようとしまいます。

小ちいさい子こどもがいる場所ばしょでは、周まわりの大人おとなたちがボタン電池でんちに細心さいしんの注意ちゅういを払はらい、誤あやまって飲み込のみこむことがないように気きをつけてください。