▼タカラトミー
プラスチックなどの価格高騰でミニカーの「トミカ」や鉄道模型の「プラレール」など7月に283品目、9月に331品目を値上げし希望小売価格をそれぞれ平均で10%以上引き上げ
▼ソニーグループ
部品価格の高騰などで家庭用ゲーム機「プレイステーション5」を9月から5500円、10%値上げ
▼バンダイ
10月から人気キャラクターの「ソフビ人形」など284品目で値上げをしていてこのうち人気アニメの知育玩具は5600円余り、35%の値上げ
▼セガトイズ
9月にぬいぐるみなど73品目で平均でおよそ15%値上げ
セガトイズ広報の箕箸雄教さんは「子どもたちに喜んでもらうのが私たちの一番の使命なので、これからも品質を落とさない工夫を続けて満足してもらえる商品を提供していきたい」と話していました。
一方、値上げ幅を少しでも抑えようとコストカットにも力を入れていて翌日以降に必要な材料を注文する際にAIを活用したシステムで自動的に必要な種類や量が計算できるようにしています。 また、物価高による従業員の生活を守るため、3か月に1回、数万円を臨時の手当として支給しているということです。 「肉汁餃子のダンダダン」の広報担当の大林大輔さんは「安くギョーザやお酒を提供したいが原材料費が上がるなどしていて値上げせざるを得ない状況でした。従業員の賃金もベースアップしていきたいという思いはありますが、すぐには難しいので一時金という形で乗り切るしかありません」と話しています。
来年1月から4月に値上げが予定される食品や飲料は再値上げなどを含めた累計で7152品目となり、ことしの同じ時期と比べるとおよそ1.5倍に増えています。 来年、値上げされる品目は ▼冷凍食品や水産缶詰などの「加工食品」が3798品目 ▼輸入ワインなどの「酒類・飲料」が1442品目 ▼しょうゆやドレッシングなどの「調味料」が1343品目 などとなっています。 月別でみると来年2月は4277品目と多く、ことし10月と同じように「値上げラッシュ」となる可能性があるとしています。
マグロやカツオを使った主力商品のツナ缶など65品目は1月4日の出荷分から値上げされます。値上げ率は4.8%から25%です。 会社によりますと缶詰の原料となるキハダマグロの仕入れ価格は円安などの影響で去年に比べておよそ1.5倍に上昇しました。 さらに、食用油の仕入れ価格も去年より1.3倍ほど値上がりしたほか、円安などを背景にした資源価格の高騰で缶に使用するスチールやアルミの価格も上がっているということです。 「はごろもフーズ」の越智崇佳マネージャーは「値上げは苦渋の判断です。来年の販売にどう影響が出てくるのか心配です」と話しています。
営業職の社員およそ280人には基本給の1.1%にあたる手当を来月から毎月、新たに支給することにしています。 また、来年4月に入社する新入社員の初任給も、2万円余り引き上げるということです。 別の会社で働く夫と共働きで7歳と3歳の娘2人を育てている営業担当の社員は「値上げで支出が増えてしんどいなと思っていたので賃上げが前倒しで行われるのは本当にありがたいですし、会社が社員を大切に考えていると感じます。賃上げの分は娘のために使いたいと思います。仕事へのモチベーションも上がりますしスキルアップなどの自己研さんもしていきたいです」と話しています。
「チケットレストラン」と呼ばれるサービスは都内の企業が提供していて、このところ導入を希望する企業からの問い合わせが増えています。
カードを使って飲食店で食事をした従業員の女性は、「食材や油などが値上がりして家計が苦しい時にこうした食事補助で好きなものを食べられるのはうれしいです」と話していました。 吉野真吾副社長は「社員がごはんの量を減らしたり、1品減らしたりして節約しているという話があり、会社としてどう補助できるか考えていた。社員からもとても好評だ」と話していました。
A.10月が3.6%11月が3.7%ということで足元の物価上昇率が一段と高まってきているそれがあらわれた数字だと考えている。10月からの全国旅行支援の実施による物価の押し下げ効果がなければ4%程度の伸びになったとみている。 Q.今回の物価高の特徴は? A.食料品や電気料金などのエネルギーといった身近なものの価格がとくに上がっている。消費者は数字以上に物価の上昇を感じているのではないか。 Q.物価の上昇はいつまで続きそうか? A.12月の消費者物価指数については、今回を上回る4%に近い伸び率になってくるだろう。年明け以降は政府の物価高対策の効果などで伸び率はいったん縮小する可能性はあるが物価が低下していくということにはならないと思う。来年4月から電力料金が大幅に値上げされる可能性があるため、当面は物価の上昇圧力が強い状態が続くのではないか。 Q.物価高対策として求められることは? A.物価の上昇が続く中で、個人消費を冷え込まないために何が必要かというと、やはり賃金の上昇だ。年明けの春闘の動向、この行方が来年の個人消費、さらには来年の日本経済全体の動きを大きく左右するポイントになるだろう。賃上げを実施することが、まわりまわって景気を良くする、自社の業績も良くするにつながるという面もあるので企業は何としても踏ん張って賃上げを前向きに検討してほしい。人件費をコストと考えるのではなく人材に対する投資だと前向きに捉えることで企業としても生産性、収益力を高めることにつながる。 Q.日銀の大規模な金融緩和策の修正が物価高、賃上げにあたえる影響は? A.金融政策の修正を受けてあしもとは円高が進んでいる。輸入物価が抑制され消費者にとってはメリットの方が大きい。ただ、将来的には金利の上昇に備えて企業の行動が慎重になってくる可能性があり、賃上げなどに悪影響をあたえないか注視していく必要がある。
仕入れ値や輸送費の高騰に苦しむ飲食店は
年明けも続く値上げ 食品や飲料の7000品目超に
来年値上げする企業「苦渋の判断」
予定を早めて賃上げも
食費を補助する企業も
今後の物価の見通しなど専門家はどう見る