「サッカーの王様」ペレさん死去 82歳元ブラジル代表 - Easy News

サッカーのワールドカップでブラジルを3度どの優勝ゆうしょうに導みちびき、「サッカーの王様おうさま」の愛称あいしょうでも知しられる元もとブラジル代表だいひょうのペレさんが29日にち、亡なくなりました。82歳さいでした。

サッカーの「王様おうさま」の愛称あいしょうで知しられるペレさん、本名ほんみょう、エドソン・アランテス・ド・ナシメントさんは、1940年ねん、ブラジル南東なんとう部ぶのミナスジェライス州しゅうで生うまれ、1958年ねんのワールドカップでは17歳さいでブラジル代表だいひょうに選えらばれ、4試合しあいで6ゴールを記録きろくしてブラジルの初はつ優勝ゆうしょうに貢献こうけんしました。

その後そのご1962年ねんのワールドカップでは、負傷ふしょうしながらチームの優勝ゆうしょうに貢献こうけんし、1970年ねん大会たいかいでは6試合しあいで4ゴールを決きめ優勝ゆうしょうの立役たちやく者しゃとなるなど、ワールドカップに4回かい連続れんぞく出場しゅつじょうしてブラジルを3度どの優勝ゆうしょうに導みちびき、その卓越たくえつした技術ぎじゅつから「20世紀せいき最高さいこうのサッカー選手せんしゅ」ともいわれました。

ペレさんは2021年ねん9月つき、サンパウロ市内しないの病院びょういんで腸ちょうの腫瘍しゅようを摘出てきしゅつする手術しゅじゅつを受うけましたが、その後そのごも体調たいちょうを崩くずして入退院にゅうたいいんを繰り返くりかえしていました。

ペレさんが11月つきから入院にゅういんしていたサンパウロ市しの病院びょういんは29日にち、ペレさんが大腸だいちょうがんの進行しんこうによる多た臓器ぞうき不全ふぜんのため亡なくなったと、明あきらかにしました。

ペレさんの公式こうしきインスタグラムは「王様おうさまペレの旅たびはインスピレーションと愛あいに彩いろどられていました。彼かれのメッセージは未来みらいの世代せだいへのレガシーとなるでしょう。愛あい、愛あい、そして愛あい、永遠えいえんに」と投稿とうこうしています。

「サッカーの王様おうさま」ペレさんとは

「サッカーの王様おうさま」の愛称あいしょうで知しられるペレさんは、サッカー選手せんしゅだった父親ちちおやの影響えいきょうで幼おさない頃ころに競技きょうぎを始はじめ、1956年ねんに15歳さいでブラジルのサントスに入団にゅうだんしました。

そして、卓越たくえつした得点とくてん能力のうりょくですぐに頭角とうかくを現あらわし16歳さいでブラジル代表だいひょうとしてデビューすると、ワールドカップには1958年ねんのスウェーデン大会たいかいから4大会たいかい連続れんぞくで出場しゅつじょうしました。

初はじめて出場しゅつじょうしたスウェーデン大会たいかいでは6ゴールを記録きろくする活躍かつやくでチームを優勝ゆうしょうに導みちびき、この大会たいかいでペレさんがつけていた背せ番号ばんごう「10」はその後そのご、世界中せかいじゅうでエースナンバーとして認識にんしきされ、数々かずかずのスター選手せんしゅが背負せおうようになりました。

ペレさん 17歳さいでワールドカップデビュー

当時とうじの動画どうががあります。

ワールドカップでは、1962年ねんのチリ大会たいかいと1970年ねんのメキシコ大会たいかいでも優勝ゆうしょうを果はたし、世界せかい的てきなスター選手せんしゅとして一いち時代じだいを築きずきました。

FIFAワールドカップの歴史れきし名めい場面ばめん振り返ふりかえり1930～2018

W杯はいメキシコ大会たいかいでの動画どうがはこちらに。

1974年ねんには18年間ねんかんプレーしたサントスを退団たいだんし、翌年よくねんからの2年間ねんかんはアメリカのニューヨーク・コスモスでプレーして1977年ねんに現役げんえきを引退いんたいしました。

ブラジル代表だいひょうやサントスなどのキャリアで獲得かくとくしたゴール数すうは通算つうさんで1200を超こえるなど数々かずかずの記録きろくを残のこしました。

引退いんたい後ごは、世界中せかいじゅうでサッカーの普及ふきゅう活動かつどうに取り組とりくんだほか、2016年ねんのリオデジャネイロオリンピックの招致しょうち活動かつどうなどに参加さんかするなど、多た方面ほうめんで精力せいりょく的てきに活動かつどうしました。

ペレさんとワールドカップ

ペレさんは、ブラジル代表だいひょうとしてワールドカップに4大会たいかい出場しゅつじょうし、このうち3回かいで優勝ゆうしょうしています。

個人こじんでは14試合しあいに出場しゅつじょうし、12ゴールを挙あげています。

初はじめてのワールドカップは1958年ねん、当時とうじ17歳さいで出場しゅつじょうしたスウェーデン大会たいかいです。

当時とうじの映像えいぞうには華麗かれいなドリブルやフェイントを駆使くしして相手あいての選手せんしゅを翻弄ほんろうしゴール前まえで豪快ごうかいなシュートを打うつ姿すがたが残のこされています。

ペレさんは準決勝じゅんけっしょうでハットトリックを達成たっせいするなどこの大会たいかいで6得点とくてんをマークしてチームを初はつ優勝ゆうしょうに導みちびきました。

2回かい目めの出場しゅつじょうとなった1962年ねんのチリ大会たいかいは、けがの影響えいきょうもあり2試合しあいの出場しゅつじょうで1得点とくてんにとどまりましたが、ブラジルは2連覇れんぱを果はたしました。

1966年ねんのイングランド大会たいかいは、決勝けっしょうトーナメントに進出しんしゅつできず敗退はいたいしましたが、続つづく1970年ねんのメキシコ大会たいかいでは、6試合しあいで4得点とくてんの活躍かつやくをみせてブラジルを3回かい目めの優勝ゆうしょうに導みちびきました。

現役げんえきを引退いんたいした後のち、2002年ねんの日にち韓かん大会たいかいでは日本にっぽんを訪おとずれ、記者きしゃ会見かいけんで決勝けっしょうの展望てんぼうを語かたったほか、2003年ねんにはその後そのごのドイツ大会たいかいに向むけてNHKの単独たんどくインタビューに応おうじるなど、ワールドカップの魅力みりょく発信はっしんにも尽力じんりょくしてきました。

各国かっこく代表だいひょうの選手せんしゅたちからも悼いたむ声こえが相次あいつぐ

ペレさんが亡なくなったことについて、ことしのワールドカップで活躍かつやくした各国かっこく代表だいひょうの選手せんしゅたちからも、その死しを悼いたむ声こえが相次あいついでいます。

このうちブラジル代表だいひょうのエースのネイマール選手せんしゅは「ペレさんが登場とうじょうする前まえ、サッカーは単たんなるスポーツだった。彼かれがサッカーを芸術げいじゅつとエンターテインメントへと昇華しょうかした。サッカーとブラジルは王様おうさまのおかげで地位ちいを確立かくりつできた。ペレさんは永遠えいえんだ」とその功績こうせきをたたえました。

また、アルゼンチンを優勝ゆうしょうに導みちびいたメッシ選手せんしゅは「安やすらかに眠ねむれ、ペレ」と自身じしんのインスタグラムに投稿とうこうしました。

今こん大会たいかいの得点とくてん王おうに輝かがやいたフランス代表だいひょうのエムバペ選手せんしゅも自身じしんのインスタグラムに「サッカー界かいの王様おうさまは私わたしたちのもとを去さったが、そのレガシーは決けっして忘れ去わすれさられません。王様おうさまよ、安やすらかに眠ねむれ」と書き込かきこみました。

釜本かまもとさん「別格べっかくの選手せんしゅだった」

交流こうりゅうのあった元もと日本にっぽん代表だいひょうの釜本かまもと邦茂くにしげさんは、「別格べっかくの選手せんしゅだった。世界せかいの子こどもたちに夢ゆめを与あたえてくれて本当ほんとうにご苦労ごくろうさまでした」と哀悼あいとうの意いを示しめしました。

釜本かまもとさんは、30日にち午前ごぜん、大阪おおさか府内ふないの自宅じたくでNHKの取材しゅざいに応おうじました。

この中なかで釜本かまもとさんは、ペレさんが亡なくなったことについて「1週間しゅうかんくらい前まえに非常ひじょうに悪わるいと聞きいていました。驚おどろき半分はんぶんですが、しかたないという思おもいです」と話はなしました。

かつて、日本にっぽん代表だいひょうのストライカーとして活躍かつやくした78歳さいの釜本かまもとさんは、1972年ねんにペレさんが所属しょぞくしたブラジルのクラブ、サントスと親善しんぜん試合しあいを行おこなったほか、1984年ねんに行おこなわれた自身じしんの引退いんたい試合しあいにペレさんが駆かけつけるなどの交流こうりゅうがありました。

釜本かまもとさんは、ペレさんについて「いろいろなワールドカップの試合しあいなどを見みてきましたが、やはりこの人ひとにはなれない。目標もくひょうにはできないほどの別格べっかくな選手せんしゅでした」と話はなしました。

そのうえで、自身じしんの引退いんたい試合しあいにペレさんが駆かけつけてくれたことについて「世界せかい的てきな選手せんしゅがきてくれたことに非常ひじょうに感激かんげきしました。肩車かたぐるましてもらったのは日本にっぽんでは私わたしくらいです。一生いっしょうの宝物ほうもつです」と自宅じたくの居間いまに飾かざってある当時とうじの写真しゃしんを見みせながら笑顔えがおで話はなしていました。

そのうえで、ペレさんに対にたいして「世界せかいの子こどもたちに夢ゆめを与あたえてくれて本当ほんとうにご苦労ごくろうさまでした」と哀悼あいとうの意いを示しめしました。

FIFA会長かいちょう「技術ぎじゅつと想像そうぞう力りょくは比類ひるいのないものだった」

「サッカーの王様おうさま」の愛称あいしょうでも知しられる元もとブラジル代表だいひょうのペレさんが亡なくなったことについて、FIFA＝国際こくさいサッカー連盟れんめいのインファンティーノ会長かいちょうはホームページでコメントを出だし「美うつくしいゲームを愛あいするすべての人ひとにとって、私わたしたちが決けっして望のぞんでいない日ひだ。われわれはペレを失うしなった。彼かれはワールドカップで3回かい優勝ゆうしょうした唯一ゆいいつの選手せんしゅであり、彼かれの技術ぎじゅつと想像そうぞう力りょくは比類ひるいのないものだった。ペレはほかの選手せんしゅが夢ゆめにも思おもわないことを成し遂なしとげた。彼かれのレガシーをことばでまとめるのは不可能ふかのうだ」などと功績こうせきをたたえました。

そのうえで「彼かれの家族かぞくや友人ゆうじん、彼かれを愛あいしてくれたすべてのサッカーファンに心こころからお悔おくやみを申し上もうしあげる。私わたしたちはペレの存在そんざいを失うしなって悲かなしんでいるが、彼かれは永遠えいえんに私わたしたちと一緒いっしょにいるだろう」としています。

日本にっぽんのサッカー界かいでも追悼ついとうの声こえ

日本にっぽんのサッカー界かいでも死しを悼いたむ声こえが相次あいついでいます。

元もと日本にっぽん代表だいひょうの本田ほんだ圭けい佑たすく選手せんしゅは自身じしんのSNSを更新こうしんし「あなたは3回かいも夢ゆめをつかみ、子こどものころの私わたしに夢ゆめを与あたえてくれた。私わたしの永遠えいえんのアイドルだ」と感謝かんしゃのことばをつづりました。

また、日本にっぽんサッカー協会きょうかいで会長かいちょうを務つとめ、現在げんざいは相談そうだん役やくの川淵かわぶち三郎さぶろうさんは自身じしんのツイッターに「心こころからお悔おくやみ申し上もうしあげます。早はやくからワールドカップで大だい活躍かつやくしていたので僕ぼくよりずっと年上としうえだと思おもっていた。Jリーグ開幕かいまく戦せんに来きて頂いただいた時とき僕ぼくより年下とししただと知しってびっくり。試合しあいが終おわった後のち、涙なみだを浮うかべながらすばらしかったとハグしてくれた事ことが忘わすれられない夢ゆめ見みる気分きぶんだった」とペレさんの死しを悼いたむメッセージを投稿とうこうしました。

ブラジル大統領だいとうりょう“国くにをあげて3日間にちかんの喪もに服ふくす”

ブラジルのボルソナロ大統領だいとうりょうは、みずからのツイッターに「サッカーを通をつうじてブラジルの名なを世界せかいに知しらしめた。彼かれはサッカーを芸術げいじゅつと歓喜かんきに変かえた」と投稿とうこうし、国くにをあげて3日間にちかんの喪もに服ふくすと宣言せんげんしました。

また、サンパウロの市民しみんからは、ペレさんの生前せいぜんの功績こうせきをたたえる声こえが聞きかれました。

20代だいの女性じょせいは「偉大いだいな選手せんしゅを亡なくし、とても悲かなしいです。彼かれのプレーは現代げんだいの選手せんしゅたちにも大おおきな刺激しげきを与あたえたと思おもいます」と話はなしていました。

50代だいの男性だんせいは「貧まずしい少年しょうねんが努力どりょくを重かさね、世界せかい的てきな選手せんしゅになりました。彼かれは単たんにスター選手せんしゅというだけでなく、私わたしたちにとって希望きぼうとも言いえる存在そんざいです」と話はなしていました。

各国かっこく首脳しゅのうも追悼ついとう

ペレさんの訃報ふほうを受うけて、アメリカのバイデン大統領だいとうりょうは29日にち、ツイッターに「恵めぐまれない生おいたちからサッカーのレジェンドになったことは、可能かのう性せいとは何なにかを教おしえてくれる物語ものがたりだ」と投稿とうこうし、その死しを悼いたみました。

また、ブラジルの隣国りんごくで、サッカーワールドカップカタール大会たいかいで優勝ゆうしょうしたアルゼンチンのフェルナンデス大統領だいとうりょうも、ツイッターに「史上しじょう最もっとも偉大いだいなサッカー選手せんしゅの1人にんが私わたしたちのもとを去さった。その技術ぎじゅつで世界せかいを魅了みりょうした時代じだいを、私わたしたちはいつまでも覚おぼえているだろう」と投稿とうこうしました。