世界的な
化学者で、フグの
毒「テトロドトキシン」
などの
合成に
成功した
名古屋大学特別教授の
岸義人さんが
拠点としている
アメリカで
現地時間の
今月9
日、
脳卒中で
亡くなりました。85
歳でした。
岸さんは、岐阜県美濃加茂市出身で、名古屋大学を卒業して名古屋大学農学部の助教授を務めたあと、1972年からはアメリカのハーバード大学に招かれ、ハーバード大学の教授や名古屋大学の特別教授などを歴任しました。
岸さんは、生物の体内で作られる有機化合物を人工的に作る研究に取り組み、鎮痛剤に応用できるフグの毒「テトロドトキシン」や、複雑な分子構造を持つ猛毒の「パリトキシン」の人工的な合成に成功するなど、有機合成化学の分野で世界的な業績を次々と挙げました。
こうした業績で、1999年には日本学士院賞の恩賜賞を受賞し、2001年には文化功労者にも選ばれています。
家族によりますと、岸さんは、最近までリモートのセミナーで若い研究者の指導にあたるなどしていましたが、アメリカ東部マサチューセッツ州の病院で、現地時間の今月9日、脳卒中のため亡くなったということです。
85歳でした。