去年2月にロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて以降、ロシア側が掌握した地域をプーチン大統領が訪れたとされるのは、初めてです。
日時は明らかでないものの、プーチン大統領がマリウポリを訪れた際に撮影されたとされる映像では、辺りが暗い中、大統領がみずから車を運転して市内を視察し、助手席に座る副首相から説明を受ける様子が見られます。
プーチン大統領が一方的に併合した南部クリミアを18日に訪れたのに続いて、激しい戦闘の末に掌握したマリウポリを訪問した背景には、ウクライナ側が南部や東部で反転攻勢を目指す中、ロシア側による支配を誇示するねらいがあるものとみられます。 マリウポリ市の幹部の1人は19日、自身のSNSに投稿し、プーチン大統領の訪問とされる映像が夜間であることについて、「昼間であれば破壊された町並みがあらわになり、再建が進んでいるなどと言えないだろう」などと非難しました。
ただ、延長の期間については言及がなく、ロシア、ウクライナ、双方の主張が食い違っているため、懸念も残る形となりました。 延長の発表後、ロシア外務省のザハロワ報道官はSNSに「60日間の延長で合意し書面で通知した」と投稿し、延長期間はあくまでも60日間だとしました。 一方、ウクライナ政府で農産物輸出を担当しているクブラコフ復興担当副首相兼インフラ相は「合意は120日延長された」とツイッターに投稿し、双方の主張が食い違っています。
パレードでは、ロシアの国旗を掲げたりウクライナへの軍事侵攻を支持するシンボルとなっている「Z」マークのステッカーをつけたりした200台以上の車が参加しました。 ウクライナ側がクリミアの奪還を目指すとする中、プーチン政権としては各地でこのようなイベントを開くことで多くの国民がロシアによるクリミア支配を支持していると印象づけるねらいがあるとみられます。
地元のロシア側のトップは「事前にオンライン会議と言われ準備していたが、突然、大統領みずから来た」とSNSに投稿しました。 2014年にロシアがクリミアを一方的に併合してから18日でちょうど9年になるのにあわせて訪問した形で、ウクライナ侵攻後初めてとみられます。
ウクライナ産農産物輸出の合意 延長発表も期間に食い違い
クリミア一方的併合から9年 ロシア各地でイベント
プーチン大統領 クリミアを訪問