このうち議員ぎいんの1人にんは利用りよう者しゃのコメントの数かずなどに合あわせて関心かんしんのある動画どうがを提示ていじするTikTokのアルゴリズムについて「自じ傷きず行為こういや自殺じさつなどを子こどもたちに推奨すいしょうしている」などと述のべ、実際じっさいに投稿とうこうされたとされる過激かげきな表現ひょうげんを含ふくむ動画どうがを紹介しょうかいしました。

チュウCEOはこの議員ぎいんから「アルゴリズムに対にたいする全ぜん責任せきにんはあなたにありますか」と繰り返くりかえし聞きかれましたが、「こうした問題もんだいをとても深刻しんこくに受け止うけとめている。とても悲かなしいことだ」と答こたえるにとどまりました。

また、別べつの議員ぎいんはアルゴリズムが若者わかものの長時間ちょうじかんの利用りようにつながっているとしたうえで「中毒ちゅうどく性せいを和やわらげるための対策たいさくをとるとこの場ばで約束やくそくできますか」などと質問しつもんしました。

これに対にたいし、チュウCEOは「特とくに10代だいの若者わかものが安全あんぜんにアプリを使つかえるようにしたい」と述のべ18歳さい未満みまんを対象たいしょうに一いち日にちあたりの利用りよう時間じかんを60分ふんに制限せいげんできる機能きのうを導入どうにゅうしたと説明せつめいしました。

しかし議員ぎいんは、制限せいげん時間じかんを超こえても延長えんちょうしてアプリを利用りようし続つづけられる点てんを指摘してきし、チュウCEOは「懸念けねんは理解りかいしている。我々われわれの目的もくてきは10代だいの若者わかものと親おやとの間までSNSを利用りようする適切てきせつな時間じかんについて話し合はなしあいを持もってもらうことだ」などと応おうじました。

イギリスでは先週せんしゅう、政府せいふがセキュリティー上じょうの懸念けねんを理由りゆうに職員しょくいんが業務ぎょうむ用よう端末たんまつでTikTokを使つかうことを禁止きんしすると発表はっぴょうしています。

議会ぎかいは今回こんかいの措置そちについて、政府せいふの決定けっていを受うけたものだとし「サイバーセキュリティーは最さい優先ゆうせんだ」とコメントしています。

また現地げんちメディアは、議会ぎかい内ないのネットワークに接続せつぞくした場合ばあい、私用しよう端末たんまつでもTikTokが使つかえなくなると伝つたえています。

TikTokはNHKの取材しゅざいに「事実じじつに基もとづいて判断はんだんされ、他社たしゃと平等びょうどうに扱あつかわれるよう求もとめたにもかかわらず、対応たいおうする機会きかいが与あたえられなかったことに失望しつぼうしている」とコメントしています。

Z世代せだいと呼よばれる若者わかものの利用りよう者しゃが全体ぜんたいのおよそ3分ぶんの2を占しめています。

TIkTokはなぜ若者わかものに受け入うけいれられているのか、主おもに3つの理由りゆうがあるといわれています。

▽1つ目めは動画どうがが短みじかいこと。

最大さいだいで10分ふんの長ながさの動画どうがを作成さくせいすることが可能かのうですが、その多おおくは10秒びょうから1分ふん程度ていどの短みじかいものばかりです。

短みじかい動画どうがを好このむ若わかい世代せだいに広ひろく受け入うけいれられたとされています。

TikTokは、踊おどったり、歌うたったりといった動画どうがが多おおいイメージがありますが最近さいきんでは宇宙うちゅうやエネルギー、AI＝人工じんこう知能ちのうといった一見いっけんすると難むずかしいテーマを、30秒びょうから1分ふんほどの短みじかい動画どうがでわかりやすく説明せつめいする人ひとも登場とうじょうしています。

▽2つ目めは、複雑ふくざつで高度こうどなプログラムの計算けいさん方法ほうほう、いわゆるアルゴリズムにあります。

ユーザーが動画どうがを見みてコメントを投稿とうこうしたり、いいねボタンを押おしたりすると、AIが趣味しゅみやブランドの好このみを把握はあくし、1人にん1人にんの個性こせいにあわせた動画どうがを提示ていじするようになります。

▽3つ目めは、新あらたな検索けんさくツールとしての使い勝手つかいがっての良よさ。

動画どうがで検索けんさくすると例たとえば地元じもとでしか知しられていないレストランなど画一かくいつ的てきではない、オリジナルな情報じょうほうを見つけ出みつけだしやすいといわれており、若わかい世代せだいに人気にんきの理由りゆうとなっています。

当初とうしょは好すきな音楽おんがくに合あわせて踊おどるダンス動画どうがが中心ちゅうしんでしたが、利用りよう者しゃが増ふえるにつれて英会話えいかいわや料理りょうりのレシピなど動画どうがのジャンルは広ひろがってきました。

特とくに最近さいきん増ふえているのが、ビジネスの拡大かくだいに活用かつようする企業きぎょうです。

東京とうきょう・新宿しんじゅくの飲食いんしょく店てんでは2022年ねん春はるからこのアプリに店みせの従業じゅうぎょう員いんが出演しゅつえんする動画どうがの投稿とうこうを始はじめました。

運営うんえい会社かいしゃの社員しゃいんが「居酒屋いざかやあるある」などのテーマで台本だいほんを作つくり、店みせの従業じゅうぎょう員いんが「新人しんじん店員てんいん」などの役柄やくがらを演えんじます。

店舗てんぽでの撮影さつえいも営業えいぎょう時間じかんの前まえに自分じぶんたちで行おこない、思おもわずくすっと笑わらってしまう数すう十じゅう秒びょうの動画どうがを投稿とうこうしています。

動画どうがに出演しゅつえんする20代だいのアルバイト店員てんいんは、「店みせに採用さいようされて最初さいしょにした仕事しごとがTikTokの撮影さつえいでした。最初さいしょは恥はずかしさもあったが動画どうがを見みて遠方えんぽうから来店らいてんした客きゃくに声こえをかけられるとうれしい」と話はなしていました。

この店みせでは売り上うりあげが2倍ばい以上いじょうに伸のびたほか、アルバイトの募集ぼしゅうをかけたときには一いち度どに500人にんが応募おうぼしてきたということで、会社かいしゃは効果こうかを実感じっかんしています。

この店みせを運営うんえいするFTTの曽根そね浩伸ひろのぶ代表だいひょうは、「TikTokは立たち上あげたばかりのアカウントが100万まん200万まんの再生さいせい数すうを獲得かくとくしていたので可能かのう性せいを感かんじた。グルメ媒体ばいたいでなくSNSで飲食いんしょく店てんを探さがす人ひとが増ふえていることもあり、動画どうがの投稿とうこうが来店らいてんにつながっている」と話はなしていました。

そのうえでTikTokについては「中国ちゅうごく政府せいふが『国家こっか情報じょうほう法ほう』に基もとづいて仮かりにデータの提供ていきょうをTikTokに要請ようせいした場合ばあい、位置いち情報じょうほうや電話でんわ番号ばんごうが中国ちゅうごく政府せいふに提供ていきょうされる可能かのう性せいがある」と述のべました。

そして、「政府せいふ関係かんけい者しゃなどは情報じょうほうが流出りゅうしゅつするリスクを考かんがえて利用りようを避さけるべきだ」と述のべる一方いっぽう、「個人こじん的てきな情報じょうほうを使つかって危害きがいを加くわえることは考かんがえにくく、一般いっぱんの人ひとがTikTokを使つかうことに大おおきな問題もんだいはない」と述のべたうえで、日本にっぽんとしては強硬きょうこうな姿勢しせいを見みせるアメリカの動うごきに追随ついずいするのでなく、個人こじんのITリテラシーを高たかめて利用りようするかどうかを個人こじんで判断はんだんできるようにするべきだという考かんがえを示しめしました。