ウクライナ軍が大規模な反転攻勢に乗り出す構えを示す中、欧米の軍事支援が加速しています。
ドイツのショルツ首相は27日、訪問先のオランダで開いた記者会見で18両のドイツ製の主力戦車「レオパルト2」をウクライナに引き渡したことを明らかにしました。
「レオパルト2」は、世界で最も近代的な戦車の1つとされ、保有するヨーロッパ各国が供与を表明し、このうちポーランドは今月上旬までに合わせて14両を送ったと明らかにしています。
ドイツは「レオパルト2」について、各国と協力して2個大隊、少なくとも62両の供与を目指しています。
また、イギリス国防省は、ウクライナに供与する主力戦車「チャレンジャー2」について、イギリス国内でのウクライナ軍兵士の訓練が終わり、近くウクライナに戦車が到着することを明らかにし、欧米の軍事支援が加速しています。
こうした中、ウクライナ東部ドネツク州では、激戦地バフムトでロシア側の攻撃が失速しているという見方が出る一方、バフムトの西にある要衝のスロビャンシクで27日、ロシア軍のミサイル攻撃によって住民2人が死亡、少なくとも32人がケガをしたと地元当局がSNSで明らかにするなど犠牲者は増え続けています。
一方、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は27日、南部ザポリージャを訪れ、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談しました。
ザポリージャ州にはヨーロッパ最大級の原子力発電所があり、ロシア軍が占拠を続ける中、相次ぐ砲撃などによって原子炉の冷却などに必要な外部からの電力の供給が途絶える事態がたびたび起きていて、両者は原発の安全確保に向けた対策などを協議したとみられます。