これを受うけて、参議院さんぎいん本ほん会議かいぎでは、まず討論とうろんが行おこなわれ自民党じみんとうの高橋たかはしはるみ氏しは「出生しゅっしょう数すうが80万まん人にんを下回したまわり、国難こくなんともいうべき少子しょうし化かが進行しんこうする中なか、安心あんしんして結婚けっこん、出産しゅっさん、子育こそだてができる社会しゃかいづくりにつながる政策せいさくを推し進おしすすめ、かつてないほど厳きびしさを増ましている安全あんぜん保障ほしょう環境かんきょうの中なか、日本にっぽんと日本にっぽん国民こくみんを守り抜まもりぬく意思いしを明確めいかくに示しめす予算よさんとなっている」と述のべました。

一方いっぽう、立憲りっけん民主みんしゅ党とうの村田むらた享子きょうこ氏しは「防衛ぼうえい費ひは増額ぞうがくとなる一方いっぽうで、中小ちゅうしょう企業きぎょう対策たいさく費ひや農林のうりん水産すいさん関係かんけい予算よさんは前年ぜんねん比ひで減少げんしょうとなっている。総理そうりは子こども予算よさんを倍増ばいぞうすると公言こうげんしてきたが、肝心かんじんの具体ぐたい策さくについては、国会こっかいの審議しんぎで明あきらかにせず、倍増ばいぞうの基礎きそとなる予算よさんの範囲はんいについても不明ふめいなままだ」と述のべました。

▼防衛ぼうえい力りょくの抜本ばっぽん的てきな強化きょうかのため「防衛ぼうえい費ひ」が6兆ちょう7880億おく円えんと今年度こんねんどを1兆ちょう4192億おく円えん上回うわまわって過去かこ最大さいだいとなったことに加くわえて、

▼これとは別べつに将来しょうらいの防衛ぼうえい力りょく強化きょうかにあてる「防衛ぼうえい力りょく強化きょうか資金しきん」に3兆ちょう3806億おく円えんを計上けいじょうしました。

▼歳出さいしゅつの3分ぶんの1近ちかくを占しめる「社会しゃかい保障ほしょう費ひ」は高齢こうれい化かなどに伴ともなって今年度こんねんどより6154億おく円えん増ふえて過去かこ最大さいだいの36兆ちょう8889億おく円えん。

▼地方ちほう自治体じちたいに配付はいふする「地方ちほう交付こうふ税ぜい交付こうふ金きん」は、今年度こんねんどより5166億おく円えん増ふえて16兆ちょう3992億おく円えんとなっています。

また、

▼過去かこに発行はっこうした国債こくさいの償還しょうかんや利払りばらいにあてる「国債こくさい費ひ」は、9111億おく円えん増ふえて25兆ちょう2503億おく円えんとなりました。国債こくさいの発行はっこう残高ざんだかの増加ぞうかに伴ともなってこちらも過去かこ最大さいだいです。

さらに

▼通常つうじょうの予備よび費ひ5000億おく円えんとは別べつに、新型しんがたコロナや物価ぶっか高騰こうとう対策たいさくなどに備そなえるため5兆ちょう円えんの予備よび費ひを計上けいじょうしています。

また、▼9兆ちょう3182億おく円えんの税ぜい外がい収入しゅうにゅうを見込みこんでいるものの、それでも不足ふそくする▼35兆ちょう6230億おく円えんを新あらたな国債こくさい発行はっこうで賄まかないます。

新規しんきの国債こくさいの発行はっこう額がくは今年度こんねんどの当初とうしょ予算よさんよりも1兆ちょう3030億おく円えん減へりましたが、歳入さいにゅう全体ぜんたいに占しめる国債こくさいの割合わりあいは31.1％と依然いぜんとして国債こくさい頼たのみの状況じょうきょうが続つづいています。

国債こくさいの発行はっこう残高ざんだかは、新しん年度ねんど末まつには1068兆ちょう円えんとなる見通みとおしで、政府せいふは、引き続ひきつづき財政ざいせい再建さいけんへの取り組とりくみが求もとめられることとなります。

▼新あらたな価値かちを生み出うみだすスキルを身みにつける「リスキリング」の強化きょうかに向むけた費用ひようとして1138億おく円えんを盛り込もりこみ、

▼従業じゅうぎょう員いんのデジタル技術でじたるぎじゅつなどの習得しゅうとくに取り組とりくむ企業きぎょうに年間ねんかん最大さいだい1億おく円えんを助成じょせいします。

▼アメリカの巡航じゅんこうミサイル「トマホーク」の取得しゅとくに2113億おく円えん。

▼国産こくさんのミサイル「12式しき地ち対たい艦かん誘導ゆうどう弾だん」の改良かいりょう開発かいはつ・量産りょうさんに1277億おく円えんが計上けいじょうされました。

このほか、

▼装備そうび品ひんの維持いじ整備せいび費ひに今年度こんねんどの1.8倍ばいとなる2兆ちょう355億おく円えん、

▼弾薬だんやくの取得しゅとくに3.3倍ばいとなる8283億おく円えん、

▼自衛隊じえいたい施設しせつの整備せいび費ひに3.3倍ばいとなる5049億おく円えんが計上けいじょうされています。

そして、原発げんぱつの運転うんてん期間きかんを実質じっしつ的てきに延長えんちょうできるようにする法案ほうあんや、防衛ぼうえい費ひの増額ぞうがくに向むけ「防衛ぼうえい力りょく強化きょうか資金しきん」を創設そうせつするための法案ほうあんなどの審議しんぎも焦点しょうてんとなります。

一方いっぽう、野党やとう側がわは、放送ほうそう法ほうが定さだめる「政治せいじ的てき公平こうへい」の解釈かいしゃくに関にかんする総務そうむ省しょうの行政ぎょうせい文書ぶんしょについても追及ついきゅうを続つづける構かまえです。