政治的な分断や宗教対立の続く中東のレバノンで、今度は「時間」を巡って国を二分する混乱が起きています。
レバノンのミカティ暫定首相は先週、サマータイムの導入を4月下旬まで延期することを決定しましたが、キリスト教系の政党などはこれに従わないことを表明し、現在、国内に2つの時間が存在する事態となっています。
空港で表示される時間もばらばらになっていて、テレビ局の放送でも局によって時間が違うということです。
ミカティ暫定首相はイスラム教スンニ派系で、ラマダンに配慮してサマータイムの導入を延期したとみられますが、事前に相談がなかったとして反発を生みました。
町中では現在、あいさつの後にどちらの時間を使っているかを確認するのが必須事項になっているということです。
首相官邸は、「今回の決定は純粋な行政手続きであり、宗教的対立に展開すべきものではない」との声明を出しています。