ロシア国防省こくぼうしょうは29日にち、シベリアのノボシビルスクなどの戦略せんりゃくミサイル軍ぐんの部隊ぶたいが、軍事ぐんじ演習えんしゅうを開始かいししたと発表はっぴょうしました。

なかでは、核兵器かくへいきの搭載とうさいが可能かのうなICBM「ヤルス」の運用うんようを確認かくにんする訓練くんれんが行おこなわれるとしていて、3000人にん以上いじょうの兵士へいしが、3つの地域ちいきで演習えんしゅうを行おこなう予定よていだということです。

ヤルスは、射程しゃていが1万まんキロを超こえ、アメリカのミサイル防衛ぼうえいに対抗たいこうする目的もくてきで開発かいはつしたとされ、アメリカなどを念頭ねんとうに、核かく戦力せんりょくを誇示こじする思惑おもわくがあるとみられます。

また、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは、同盟どうめい関係かんけいにあるベラルーシに戦術せんじゅつ核兵器かくへいきを配備はいびする方針ほうしんを明あきらかにし、ベラルーシ外務省がいむしょうも配備はいびの受け入うけいれを表明ひょうめいしています。

プーチン大統領だいとうりょうは、来月らいげつ6日にちにベラルーシのルカシェンコ大統領だいとうりょうと両国りょうこくの連携れんけい強化きょうかに向むけた会合かいごうを開催かいさいする予定よていです。

これについて、ロシア大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは28日にち、「安全あんぜん保障ほしょうの問題もんだいも話し合はなしあうだろう」と説明せつめいし、戦術せんじゅつ核兵器かくへいきの配備はいびに向むけても意見いけんが交かわされる可能かのう性せいがあります。

一方いっぽう、アメリカ政府せいふ高官こうかんは28日にち、ロシアとの核かく軍縮ぐんしゅく条約じょうやく「新しんSTART」について、ロシアが条約じょうやくを順守じゅんしゅしていないとして、戦略せんりゃく核兵器かくへいきについての情報じょうほう提供ていきょうを停止ていしすることを決きめたと明あきらかにしました。

先月せんげつ、ロシアが一方いっぽう的てきに履行りこうを停止ていしすると発表はっぴょうしていて、今回こんかいの対応たいおうについて、アメリカは「ロシアが条約じょうやくを順守じゅんしゅすることを拒否きょひしたため、同おなじようにすることを決きめた」としています。

これに対にたいし、ロシア外務省がいむしょうのリャプコフ次官じかんは29日にち、国営こくえいのロシア通信つうしんに対にたいし、「アメリカが責任せきにんをロシアに押おしつけている」などと批判ひはんし、ロシアが欧米おうべい側がわへのけん制けんせいを強つよめる中なか、米べいロ間かんの核軍縮かくぐんしゅくへの影響えいきょうも懸念けねんされています。