理化学研究所の
碓井喜明特別研究員らと、
愛知県がん
センターなどの
グループは、
国内の
胃がん患者およそ1
万1000
人と、がんではない
人、およそ4
万4000
人の
遺伝情報を
比較して
解析し、
遺伝子の
変異と
胃がんのリスクの
関連を
調べました。
その結果、9つの遺伝子の変異について、胃がんのリスクの上昇と関連があることを発見しました。
このうち、乳がんなどの発症と関連がある「BRCA」と呼ばれるものなど、遺伝子の修復と関わる4つの遺伝子の変異は、胃がんの原因の一つ、ピロリ菌に感染している場合、リスクが大きく上昇することがわかったということです。
ピロリ菌に感染している人が、85歳までに胃がんを発症するリスクを推計したところ、
▽遺伝子変異の無い人は14.4%だったのに対し、
▽4つのうち、いずれかの遺伝子変異がある人は45.5%となっていました。
ピロリ菌の除菌は、胃がんの発症リスクを抑えるとされていますが、研究グループは「これらの遺伝子変異のある人は、除菌の効果がより大きい可能性がある」としています。