また「容疑ようぎ者しゃの身柄みがらを確保かくほをした際さいに刃物はものを所持しょじしていた。事件じけんに使つかわれたものかどうかはわからない」と説明せつめいしました。

容疑ようぎ者しゃを特定とくていした経緯けいいについて「被害ひがい者しゃと交際こうさいしていた容疑ようぎ者しゃがストーカー規制きせい法ほうに基もとづく禁止きんし命令めいれいや警告けいこくを受うけていたこと、防犯ぼうはんカメラ映像えいぞうの追跡ついせきによって特定とくていした」と述のべました。

福岡ふくおか県警けんけいは「今回こんかい、警察けいさつがとった措置そちについては適切てきせつな対応たいおうだったと考かんがえている。結果けっか的てきに被害ひがい者しゃが死亡しぼうしたことについては、非常ひじょうに残念ざんねんでならない」などと説明せつめいしました。

容疑ようぎ者しゃを確保かくほした経緯けいいについて「中洲なかすで発見はっけんしたあと、古門戸こもんど町まちで確保かくほした。特段とくだん、抵抗ていこうする様子ようすはなかった」と述のべました。

福岡ふくおか県警けんけいは、寺内てらうち容疑ようぎ者しゃが川野かわのさんとどのような関係かんけいだったかについて「元もと交際こうさい相手あいてで、別れ話わかればなし、つきまといがあったことは把握はあくしている」と述のべました。

NHKが17日にち撮影さつえいした映像えいぞうでは、鑑識かんしき作業さぎょうを行おこなう警察官けいさつかんが機材きざいなどを持もって関係かんけい先さきの建物たてものの中なかに入はいっていく様子ようすが確認かくにんできます。

捜査そうさ関係かんけい者しゃによりますと、川野かわのさんと元もと交際こうさい相手あいては仕事しごと上じょうのつながりで知り合しりあったとみられ、警察けいさつは相談そうだんの内容ないようから緊急きんきゅう性せいがある事案じあんと判断はんだんし、去年きょねん秋あきごろには那珂川なかがわ市しを管轄かんかつする警察けいさつ署しょから元もと交際こうさい相手あいてに対にたいし、ストーカー規制きせい法ほうに基もとづきつきまといなどを禁きんじる「禁止きんし命令めいれい」を出だしていたということです。

警察けいさつは、川野かわのさんの自宅じたく周辺しゅうへんのパトロールを行おこなったり、定期ていき的てきに連絡れんらくを取とったりしていたということです。

誕生たんじょう日びのメッセージカードを手向たむけた女性じょせいは「被害ひがい者しゃの女性じょせいと知り合しりあいではありませんが、私わたしがこの現場げんばの地下ちかにある地下街ちかがいで長年ながねん、働はたらいていたので、『こんなところでこんな事件じけんが起おきるなんて夢ゆめにも思おもってなかったでしょ』という思おもいで置おきました」と話はなしていました。

女性じょせいは容疑ようぎ者しゃの身柄みがらが警察けいさつに確保かくほされたと聞きいて18日にちに2度ど、現場げんばを訪おとずれ手しゅを合あわせたということです。

花はなを手向たむけに訪おとずれた近ちかくに住すむ女性じょせいは「ニュースを知しってショックでした。同おなじ女性じょせいとして、どんなに怖こわい思おもいをしたんだろうと思おもうと何なんとも言いえない気持きもちになりました。哀悼あいとうの気持きもちを形かたちで示しめしたいと思おもって来きました」と話はなしていました。

また、70代だいの男性だんせいは「私わたしにも同おなじくらいの娘むすめがいましたが、病気びょうきで急きゅうに亡なくなりました。それと同おなじくらい家族かぞくにとっては突然とつぜんの出来事できごとで大変たいへんつらいことだと思おもいます。事件じけん当日とうじつ、1時間じかん前まえに現場げんばを通とおっていたこともあってぜひ手てを合あわせたいと思おもって来きました」と話はなしていました。

▽2011年ねんに長崎ながさき県けん西海さいかい市しで男おとこが元もと交際こうさい相手あいての家族かぞく2人にんを殺害さつがいした事件じけんや

▽2013年ねんに東京とうきょう・三鷹みたか市しで女子じょし高校生こうこうせいが元もと交際こうさい相手あいての男おとこに殺害さつがいされた事件じけん、

▽2016年ねんに東京とうきょう・小金井こがねい市しのライブ会場かいじょうで音楽おんがく活動かつどうをしていた女子じょし大学生だいがくせいがファンの男おとこにナイフで刺さされ大だいけがをした事件じけんなどでは、被害ひがい者しゃや家族かぞくが事前じぜんに警察けいさつへ相談そうだんしながら襲撃しゅうげきを防ふせぐことができず、警察けいさつの対応たいおうが問とわれました。

この間このかん、ストーカー規制きせい法ほうの一部いちぶが改正かいせいされ▽相手あいてに拒こばまれたにもかかわらず電子でんしメールを繰り返くりかえし送おくる行為こういを「つきまとい」などの違反いはん行為こういに追加ついかしたほか、▽被害ひがい者しゃの自宅じたく周辺しゅうへんを「うろつく」行為こういも取締とりしまりの対象たいしょうにするなど、対策たいさくが強化きょうかされてきました。

しかし、ストーカーによる被害ひがいは歯止はどめがかかっておらず、警察庁けいさつちょうによりますと、警察けいさつに寄よせられた被害ひがいの相談そうだんや通報つうほうは、2021年ねんは全国ぜんこくで1万まん9728件けんで、2017年ねんのおよそ2万まん3000件けんをピークに減少げんしょう傾向けいこうにあるものの、この10年ねんほどは2万まん件けん前後ぜんごで推移すいいしています。

また、ストーカー規制きせい法ほう違反いはんなどで警察けいさつが検挙けんきょした事件じけんは2021年ねんは2518件けんで、前まえの年としに比くらべ15件けん増ふえています。

今回こんかいの事件じけんのように、規制きせい法ほうに基もとづく「禁止きんし命令めいれい」を出だしながら、被害ひがいを防ふせげなかったケースも起おきています。

一定いっていの抑止よくし効果こうかはあるものの、被害ひがいを防ふせぐには限界げんかいがあるのが現状げんじょうで、課題かだいが浮き彫うきぼりになっています。