実際には想定を上回る雪が急激に降った結果、ポイントに雪が挟まるなどして切り替えられなくなり、列車の立往生が発生したとしています。
また、一時、およそ7000人が車内に閉じ込められたことについては、乗客を駅で降ろすためにポイントを復旧させる作業を優先したものの、想定以上に時間がかかったことが要因だとしています。
湖西線を利用した滋賀県に住む男性は、午後7時20分ごろに京都駅を出発した電車に乗りましたが、隣の山科駅に着く前に電車は止まってしまいました。 それから7時間半余り、車内に閉じ込められた状態が続きます。 また、京都線を利用した20代のインストラクターの女性は、午後6時半ごろに大阪駅から乗車しましたが、午後7時半前、京都駅に到着する前に電車が止まったということです。 京都線に乗っていた別の男性も、午後7時過ぎに大阪駅を出発し京都方面に向かっていたところ、1つ手前の西大路駅で午後8時ごろ停車し、その後動かなくなったということです。 JR西日本が、京都線や琵琶湖線が運転見合わせになると発表したのは、このころでした。
乗客らによりますと、車内で「ポイントの故障があった」とか「今しばらくお待ちください」というアナウンスがあったということですが、運転再開のめどについては情報が少なかったといいます。 乗客は互いに席を譲り合うなどして過ごしたということですが、中には数時間、立ったままの人もいました。 JR湖西線の電車に乗っていた男性によりますと、閉じ込めから3時間ほどが経過すると、徐々にトイレに行く人が増えて、トイレのある車両に人が集中したということです。 そして、体調不良を訴える人が相次いだということです。 他の電車でも、閉じ込めから数時間が経過すると、非常ボタンが何度も押され、車掌が「乗客の中に医者や看護師はいないか」などと尋ねることもあったということです。 また、救急隊員が体調の悪い人がいないかを確認する「トリアージ」のような対応が行われた車両もありました。 JR京都線などの沿線にある消防によりますと、今回の閉じ込めではあわせて13人が体調不良で救急搬送されたということです。
JR湖西線に閉じ込められていた男性がようやく外に出たのは午前2時半ごろ。 閉じ込められてから、7時間半が経過していました。 雪の積もった線路の上を歩き、1時間ほどかけて最寄りの山科駅にたどり着いたということです。 この男性は「JRはもう少し早く対策をとれなかったのかと思う」と話していました。 JR京都線を利用した20代のインストラクターの女性も「体調が良くない人もいる中で、なぜ電車から降ろす判断ができなかったのか」と疑問を話していました。
長時間の電車の遅れで自宅などに帰る交通手段がなくなってしまった乗客が多数にのぼりました。 線路を歩いて山科駅に到着した男性は、建物ではなく、市が用意した地下通路で過ごしたということです。 また、別の男性がJR京都線で午前1時半ごろに京都駅にたどりついた時は、駅の商業施設やレストランなどは閉店してシャッターが閉まっていて、雪が吹き込むような半屋外のスペースで過ごすしかなかったといいます。 周辺のカラオケや漫画喫茶も満席だったため、この男性は近くで車を借りて、その中で休憩しながら朝を迎えたということです。
立往生の当時 何が起きていたのか
午後8時ごろ 相次いで電車止まる
車内で体調不良の人も相次ぐ
なぜ乗客を早く降ろせなかったのか
電車を降りたあとも