ところが、
走り出してまもなく、
隣の
山科駅に
着く前に
線路の
上で
電車は
止まってしまいました。
男性はそれから7時間半余り、車内に閉じ込められてしまいます。
同じころ、20代のインストラクターの女性が乗っていたJR京都線の電車も、線路上で止まってしまいました。
女性は、午後6時半ごろに大阪駅を出発。
京都駅に到着する前の午後7時半ごろのことでした。
京都線の
別の
電車に
乗っていた
男性も、
巻き込まれます。
男性が乗っていた電車は午後7時すぎに大阪駅を出発して京都方面に向かっていました。
しかし、午後8時ごろ、京都駅の1つ手前の駅で停車すると、そのまま動かなくなりました。
いつもと違った
電車に
乗る
前から「いつもと
違う」と
感じていた
人もいました。
湖西線に閉じ込められてしまった別の19歳の大学生の男性。
電車に乗ろうと京都駅についた時は、すでにダイヤが乱れていて、多くの人が集まったため入場規制がかかっていたということです。
結局、
立往生した
電車は
京都駅の
周辺で、あわせて15
本に
上り、
およそ7000
人が
閉じ込められました。
雪は予想されていたのに、なぜ?
原因は、
電車の
進路を
変更するための「
ポイント」の
不具合でした。
気象庁の観測では、京都市内では午後6時までの1時間に7センチの雪が降るなど、午後8時までの3時間で10センチの雪が降って一気に積雪が増えていました。
その結果、降った雪がポイントの間に挟まって切り替えができなくなる不具合が、山科駅や京都駅の構内などあわせて21か所で起きていました。
前日から懸念されていた雪だったのに、なぜ、電車の立往生は防げなかったのか。
JR
西日本は、25
日の
記者会見で、「
予想を
上回る雪だった」と
説明しています。
JRでは、予想降雪量が10センチを超えると線路のポイントをとかす装置を使うことにしていますが、この日の予想は8センチだったため、装置を準備していなかったということです。
体調不良の人が次々に
一度止まった
電車は
なかなか動かず、
乗客は
長時間、
車内に
閉じ込められることになりました。
乗客たちの話によると、車内で「ポイントの故障があった」とか「今しばらくお待ちください」というアナウンスが繰り返されましたが、運転再開のメドについては情報が少なかったといいます。
乗客は互いに席を譲り合うなどして過ごしたということですが、中には数時間、立ったままの人もいました。
JR
湖西線の
電車に
乗っていた
男性によると、
閉じ込められてから2、3
時間が
経過すると、
徐々にトイレに
行く人が
増えて、トイレの
ある車両に
人が
集中したということです。
そして、車内は酸欠に近い状態になり、体調不良を訴える人が相次いだということです。
他の電車でも、閉じ込めから数時間が経過すると、非常ボタンが何度も押され、車掌が「乗客の中に医者や看護師はいないか」などと尋ねることもあったということです。
また、
救急隊員が
体調の
悪い人の
容体を
確認する「トリアージ」が
行われた
車両もありました。
JR京都線などの沿線にある消防によりますと、今回の閉じ込めではあわせて16人が体調不良で救急搬送されたということです。
乗客を降ろすタイミングは適切だったのか?
駅と
駅の
間に
止まった
電車では、
数時間が
経過してから
乗客が
線路の
上を
歩いて
移動した
ケースがありました。
JR
湖西線に
閉じ込められていた
男性がようやく
外に
出たのは
午前2
時半ごろ。
閉じ込められてから、7時間半が経過していました。
雪の積もった線路の上を歩き、1時間ほどかけて最寄りの山科駅にたどりついたということです。
この男性は「JRはもう少し早く対策をとれなかったのかと思う」と話していました。
JR
京都線を
利用した20
代のインストラクターの
女性も「
体調がよくない
人もいる
中で、
なぜ電車から
降ろす判断ができなかったのか」と
疑問を
話していました。
SNSでは、「車掌と運転手は乗客を降ろして徒歩で避難するのがベストだと考えた。ただ許可が出なかったので移動ができない状態だ」という車内アナウンスの音声も投稿されていました。
もっと早く
乗客を
降ろす判断ができなかったのか。
JR西日本は、25日の会見で、ポイントを復旧させる作業を優先していたと明かしています。
その上で、「夜で暗い上に雪が降って足元も悪い中、多くのお客様に歩いてもらうと転倒するなどのリスクがあると考えて、降りていただくことをちゅうちょした。判断プロセスを検証したい」と説明しています。
電車は降りられたけれど…
電車を
降りたあとにも
課題が
見えました。
長時間の電車の遅れで自宅などに帰る交通手段がなくなってしまった乗客は多数に上りました。
線路を歩いて山科駅に到着した男性は、建物ではなく、市が用意した地下通路で過ごしたということです。
この地下通路は、
京都市が
管理する
施設でした。
京都市の防災危機管理室は、午後10時ごろ、SNSに投稿された画像などから駅に多くの人が滞留している状況を把握。
急きょ、山科駅に職員を派遣しました。
そして、JRに連絡をとり、市が管理している山科駅近くの施設や、市営地下鉄との駅をつなぐ地下連絡通路を開放し、防寒用のアルミ製のブランケットを配布したということです。
また、
別の20
代の
男性が、JR
京都線で
翌日の
午前1
時半ごろに
京都駅にたどりついた
時は、
多くの
人で
混雑していました。
しかし、駅の商業施設やレストランなどは閉店してシャッターが閉まっていて、雪が吹き込むような半屋外のスペースで過ごすしかなかったといいます。
周辺のカラオケや漫画喫茶も満席だったため、この男性は近くで車を借りて、その中で休憩しながら朝を迎えたということです。
この男性は、「
京都駅で
降りた
時には、
待機場所などの
案内もありませんでした。
外は
氷点下の
気温の
中、ブランケットの
配布などもありませんでした」と
話していました。
JR西日本では、当時の対応について今後、検証することにしています。
浮き彫りになった3つの課題
乗客たちの
証言から、
今回の
立往生では
大きく3つの
課題が
浮き彫りになりました。
(1)
積雪が
予想される
中で、
なぜ立往生の
発生を
防げなかったのか。
(2)乗客を降ろすタイミングは適切だったのか。
(3)行き場がない乗客が待機する場所を用意できなかったのか。
これらは、大雪だけでなく、地震など別の災害の時にも直面する課題です。
こうした点について、専門家はどうみているのか。
鉄道の計画運休などにも詳しい都市防災が専門の東京大学の廣井悠教授に聞きました。
廣井教授は、降雪量を正確に予測することは非常に難しいと理解しておくことや、予測を上回るような事態になった場合の対応を事前に検討しておくことが大切だと指摘します。
廣井教授「JRは事前の積雪予想をもとに融雪器を用意しない判断をしました。ある基準を設けて、それに従って対応する中ではしかたがない面もありますが、そもそも降雪の予測は不確実性が高いもので、事前に完全に予測できるものではないということを理解しておく必要があります」
「そして、仮に基準では、機材の準備や計画運休にはならないと判断しても、予想を超える事態になった時にどう対応するかも事前に考えておくことが大切です」
また、立往生が発生してしまった場合の対応についても、あらかじめ検討しておくことが大事だと強調しました。
「事故のリスクも考えると、乗客を降ろす判断は鉄道事業者にとって重い判断だと思います。そうした重い判断をできる人がいたのか、そうした状況を想定したマニュアルなどが用意されていたのかなども検証が必要です」
「そして私たちも、鉄道会社が計画運休をしないからといって、必ずしも安全なわけではないと、改めて認識しておく必要があります」
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