警察当局は、ルフィと名乗る人物が第三者のSNSのアカウントを使うなどして身元が割り出されないようにしていたとみて詳しく調べています。
また、ルフィを名乗っていた疑いがあり、特殊詐欺事件などに関わったとして警視庁が逮捕状を取っている渡邉優樹容疑者や今村磨人容疑者ら4、5人の日本人について、フィリピン当局に身柄の引き渡しを求め、一連の事件の実態解明を進めることにしています。
2019年にフィリピンの首都マニラで日本に向けて振り込め詐欺の電話をかけていたグループの拠点が摘発され、その場にいた日本人36人の身柄が拘束されました。 その後もグループのメンバーとみられる複数の日本人が拘束されましたが、ほとんどはすでに日本に移送され、渡邉容疑者ら一部のメンバーが現地に残ったままだったということです。 捜査関係者によりますと、渡邉容疑者はこのグループで中心的な役割を担っていたとみられるということで、警視庁が特殊詐欺に関わった疑いで逮捕状を取っています。
去年、都内の住宅に複数の男らが押し入り、住人が縛られ現金や腕時計を奪われる事件があり、男性は、事件に関わったとしてほかのメンバーとともに逮捕されたということです。 警視庁はこの事件について、メンバーがSNSの「闇バイト」で集められた疑いがあるとみています。 男性によりますと、集合の時間と場所だけ知らされ、仕事の具体的な内容は教えられませんでしたが、あとになって、強盗で奪った金品を受け取るのが自分の役割だと分かったということです。 男性は「『指定の場所に行ったら人が来るから荷物を受け取ってきてくれ』などと頼まれた。強盗だとは思っていなかった。別の容疑者とはその時に初めて会った」と話していました。 男性は結局、荷物を受け取ることはなく、その後、強盗事件の共犯として逮捕されました。 その時初めて、強盗事件に関わっていたことを知ったといいます。 男性は「グレーな仕事だろうと思っていたが、強盗事件だったことに驚いた。軽い気持ちで犯行現場に行ってしまったが、浅はかだったと思う」と話していました。 そのうえで、SNSの「闇バイト」を通じて集まったとみられるメンバーによる強盗事件が相次いでいることについて、「自分は捕まらないと思っている人が多いと思うがそんなことは絶対にない。高額報酬と言われるが、たとえ強盗で1000万円を強奪したとしても、複数の実行犯のほか、情報を持ってくる役、リクルート役など大勢で分けることになるので、末端の人間に100万円も払われるとは考えにくい。そんなに甘くない」と話していました。 今月、東京 狛江市で起きた事件では、住人が殺害される事態となっていて、男性は「SNSを通じて集まった、面識のない者どうしが、『自分のほうがすごいことをできるんだ』というような、見えの張り合いをしている感じがする。また、押し入った住宅で現金をとれなかったら上の人間からひどい目に遭わされるのではないかと考えて、無理やりに現金などのありかを言わせようとしたのではないか」と話していました。
当時、日本の警察から情報提供を受けたフィリピンの入国管理局が、マニラの中心部にあったビルの拠点を摘発しました。 入管当局が拠点に踏み込んだ際に撮影した映像では、オフィスのような部屋の中に黒い机が並べられ、何台ものスマートフォンが置かれていました。 また、スマートフォンの画面には「Secret業務連絡」というタイトルが付いたチャットのような画面が表示されていて、「警察来ました」などの報告のようなメッセージも確認できました。 入国管理局によりますと、グループはマニラ周辺の拠点を移動しながら日本に向けて詐欺の電話をかけていたとみられ、およそ1400件の詐欺事件に関与していた疑いがもたれていました。 拘束されたメンバーの男らは、一時、マニラにあるビクタン収容施設に収容され、その後順次、日本に送還されていました。
フィリピンの入国管理局が管轄する施設で、不法滞在となった人などが収容されていて、入国管理局によりますと日本人も20人近くいるということです。 過去に収容された経験がある人によりますと、施設内では職員に金を払うことで携帯電話やノートパソコンを使うことができたほか、酒やたばこのほかに携帯電話のプリペイドカードも買うことができたということです。 また、この施設には現地での刑事手続きなどを理由に数年から10年以上収容されている人もいるとの報道もあり、本国などへの送還を免れるための抜け道になっているのではないかとの指摘も出ています。
中心的な役割か 渡邉優樹容疑者とは
別の強盗事件関与の男性「浅はかだった」
2019年11月にマニラで摘発 日本人36人を身柄拘束
ビクタン収容施設とは