人工じんこう衛星えいせいを運用うんようするアメリカの企業きぎょう「マクサー・テクノロジーズ」が25日にち撮影さつえいした衛星えいせい画像がぞうでは、ロシアから隣国りんごくジョージアに向むかう幹線かんせん道路どうろが、100台だい以上いじょうの乗用車じょうようしゃで渋滞じゅうたいしていました。

ロシアから出国しゅっこくしようと大勢たいせいの市民しみんが押し寄おしよせ、出国しゅっこく手続てつづきの順番じゅんばんを待まって並ならんでいるということで、拡大かくだいした画像がぞうでは車くるまを出でて休憩きゅうけいするような市民しみんの姿すがたも見みられます。

また、IT大手おおてグーグルの地図ちずアプリ・グーグルマップによりますと、ロシアとジョージアの国境こっきょう付近ふきんでは27日にちも、およそ10キロの長ながい渋滞じゅうたいが発生はっせいしていました。

イギリスの公共こうきょう放送ほうそうBBCは、ロシアからジョージアに入国にゅうこくするために「20時間じかん以上いじょう待まつ人ひともいる」と伝つたえています。

さらに、23日にち撮影さつえいされた別べつの衛星えいせい画像がぞうでは、ロシアと隣国りんごくモンゴルの国境こっきょう地帯ちたいでも長ながい渋滞じゅうたいが発生はっせいし、ロシア市民しみんが出国しゅっこくする動うごきとみられます。

これについて林はやし外務がいむ大臣だいじんは27日にち午前ごぜん、外務省がいむしょうで記者きしゃ団だんに対にたいし、「きのう夕方ゆうがた、ロシア外務省がいむしょうからロシアの日本にっぽん大使たいし館かんに対にたいして、ウラジオストクの総領事館そうりょうじかん員いんが違法いほうな情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうを行おこなったことを理由りゆうに退去たいきょを求もとめる要請ようせいがあった」と説明せつめいしました。

そして、ロシア側がわが主張しゅちょうするような違法いほうな活動かつどうを行おこなった事実じじつがないにもかかわらず、領事館りょうじかん員いんは、目隠めかくしをされたまま両手りょうてと頭あたまを押おさえつけられ、身動みうごきが取とれない状態じょうたいで連行れんこうされ、威圧いあつ的てきな取り調とりしらべを受うけたと明あきらかにしました。

そのうえで、「ウィーン条約じょうやくと日にちソ領事りょうじ条約じょうやくの明白めいはくかつ重大じゅうだいな違反いはんであり、極きわめて遺憾いかんであり決けっして受け入うけいれられない。信しんじがたい行為こういであり、強つよく抗議こうぎする」と述のべました。

さらに、外務省がいむしょうの森もり事務じむ次官じかんがロシアのガルージン駐ちゅう日び大使たいしを外務省がいむしょうに呼よび、厳重げんじゅうに抗議こうぎするとともに、ロシア側がわに対にたいして正式せいしきな謝罪しゃざいと再発さいはつ防止ぼうしを求もとめ、日本にっぽん政府せいふとして相応そうおうの措置そちを講こうじる必要ひつようがあると考かんがえていることを伝つたえたと説明せつめいしました。

この中なかで演説えんぜつしたグテーレス事務じむ総長そうちょうはロシアのプーチン大統領だいとうりょうが核かく戦力せんりょくの使用しようも辞じさない構かまえを再ふたたび示しめすなど、核かくの脅威きょういが高たかまっていることを念頭ねんとうに、「核かくで脅おどす時代じだいは終おわりにしなければならない。すべての国くにに対にたいし、緊張きんちょうを緩和かんわし、核かくの脅威きょういを排除はいじょするために、対話たいわや外交がいこう交渉こうしょうなど、あらゆる手段しゅだんを講こうじるよう求もとめる」と述のべ、核兵器かくへいきが使用しようされるリスクを減へらすよう、国際こくさい社会しゃかいに訴うったえました。

今回こんかいの支援しえんにはロシア軍ぐんが行おこなった残虐ざんぎゃく行為こういの捜査そうさや証拠しょうこの文書ぶんしょ化かなども含ふくまれるとしています。

声明せいめいの中なかでブリンケン長官ちょうかんは「アメリカはウクライナ市民しみんに寄り添よりそい、民主みんしゅ的てきで独立どくりつしたウクライナへの支援しえんに取り組とりくんでいく」と強調きょうちょうしています。

親しんロシア派は勢力せいりょくは26日にち、これまでの4日間にちかんの投票とうひょうで、東部とうぶルハンシク州しゅうでは投票とうひょう率りつは83％以上いじょう、南部なんぶヘルソン州しゅうでは63％以上いじょうに達たっしたなどと主張しゅちょうしています。

一方いっぽう、ルハンシク州しゅうに住すむ45歳さいの女性じょせいがNHKの電話でんわインタビューに答こたえ、「投票とうひょう箱ばこを持もった人ひとの後うしろには軍服ぐんぷくを着きて武装ぶそうした2人にんの兵士へいしがついている。当局とうきょく者しゃ側がわが、投票とうひょう者しゃの生年月日せいねんがっぴや住所じゅうしょ、氏名しめいなどを記録きろくしている」と述のべ、住民じゅうみんに圧力あつりょくをかけながら投票とうひょうをうながしているとする状況じょうきょうを明あきらかにしました。

ウクライナ政府せいふや欧米おうべい各国かっこくからも「偽にせの住民じゅうみん投票とうひょうだ」として、非難ひなんする声こえが強つよまっています。

投票とうひょうは27日にちまで行おこなわれたあと即日そくじつ開票かいひょうされるとみられていて、ロシア国営こくえいのタス通信たすつうしんは、その後そのご、ロシア議会ぎかいでの決議けつぎを経へて、30日にちにも併合へいごうの手続てつづきが行おこなわれる可能かのう性せいがあると伝つたえています。

総会そうかいの冒頭ぼうとう、グロッシ事務じむ局長きょくちょうは、相次あいつぐ砲撃ほうげきにより一時いちじ的てきに外部がいぶ電源でんげんを失うしなうなど、安全あんぜん性せいへの懸念けねんが広ひろがっているウクライナ南東なんとう部ぶのザポリージャ原発げんぱつについて「ヨーロッパ最大さいだい規模きぼの原発げんぱつが炎ほのおに包つつまれている。信しんじがたいことだが、現実げんじつだ。この現実げんじつを前まえに、われわれは行動こうどうしなければならない」と述のべ、強つよい危機きき感かんを示しめしました。

そのうえで、重大じゅうだいな事故じこを防ふせぐために原発げんぱつ周辺しゅうへんを安全あんぜんな区域くいきに設定せっていする、みずからの提案ていあんに関連かんれんして、ウクライナとロシア双方そうほうとの協議きょうぎをさらに進すすめるため、両国りょうこくを訪おとずれる用意よういがあると強調きょうちょうし、各国かっこくに理解りかいと協力きょうりょくを呼よびかけました。

IAEAの年次ねんじ総会そうかいでは、26日にちに日本にっぽんやウクライナ、そして、ロシアなど各国かっこくの代表だいひょうによる演説えんぜつが続つづいていて、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうや原発げんぱつの安全あんぜん確保かくほを巡めぐって、どのような姿勢しせいが示しめされるかが焦点しょうてんとなっています。

このうち、アメリカのグランホルムエネルギー長官ちょうかんは「ロシアによる原子力げんしりょく施設しせつの占拠せんきょは、原子力げんしりょくの平和へいわ利用りように対にたいするロシアの姿勢しせいに疑念ぎねんを抱いだかせる」と非難ひなんし、ロシアに対にたいして部隊ぶたいを撤退てったいするよう要求ようきゅうしました。

また、日本にっぽんの高市たかいち科学かがく技術ぎじゅつ担当たんとう大臣だいじんもビデオ演説えんぜつで「ウクライナの原子力げんしりょく施設しせつやその付近ふきんでのロシアの軍事ぐんじ行為こういは決けっして許ゆるされるものではない。最もっとも強つよいことばで非難ひなんする」と述のべるなど、各国かっこくの代表だいひょうからロシアへの非難ひなんが相次あいつぎました。

これに対にたいして、ロシアの代表だいひょうは「ウクライナ側がわが原発げんぱつを攻撃こうげきしている」と述のべ原発げんぱつには部隊ぶたいを配置はいちしていないとも主張しゅちょうしました。

こうした出国しゅっこく者しゃを受け入うけいれるか、EU＝ヨーロッパ連合れんごうでは考え方かんがえかたが分わかれています。

ロシアと国境こっきょうを接せっするラトビアのリンケービッチ外相がいしょうは今月こんげつ22日にち、ツイッターに「動員どういんを理由りゆうにロシアから逃のがれる人ひとの多おおくはウクライナ人じんが殺ころされることには抗議こうぎの声こえをあげなかった。彼かれらを受け入うけいれることには相当そうとうなリスクがある」と投稿とうこうしました。

また、リトアニアのランズベルギス外相がいしょうも23日にち「リトアニアは責任せきにんから単たんに逃のがれる人ひとたちの亡命ぼうめいを認みとめない。ロシア人じんは国内こくないにとどまってプーチン大統領だいとうりょうに抗議こうぎするべきだ」と投稿とうこうし、受け入うけいれない考かんがえを示しめしました。

一方いっぽう、ドイツのブッシュマン法相ほうしょうは21日にち「プーチン大統領だいとうりょうのやり方やりかたを嫌きらい自由じゆう民主みんしゅ主義しゅぎを愛あいする人ひとたちはドイツで歓迎かんげいされる」と投稿とうこうしたほか、EUのミシェル大統領だいとうりょうは国連こくれん総会そうかいが行おこなわれているニューヨークで応おうじたメディアとのインタビューで、ロシアで政治せいじ信条しんじょうが理由りゆうで危険きけんにさらされている人ひとたちについて「EUは原則げんそくとして受け入うけいれるべきだ」と述のべたと伝つたえられています。

一方いっぽう、ルカシェンコ大統領だいとうりょうは「ロシアでは、動員どういんが怖こわいとして国外こくがいに逃にげる人ひとたちがいる。しかしロシアには2500万まん人にんもの動員どういんの人的じんてき資源しげんがある。3万まん人にん、5万まん人にんが逃にげようとも逃にげた人ひとがわれわれの仲間なかまになるとは思おもえないので逃にげさせておけばいいのだ」などと応おうじました。

そして「かつてベラルーシから人々ひとびとが去さったとき私わたしは心配しんぱいしていなかった」と述のべ、ベラルーシでおととし行おこなわれた大統領だいとうりょう選挙せんきょの結果けっかの不正ふせいを訴うったえる抗議こうぎ活動かつどうが各地かくちで起おき、反はん体制たいせい派はの多おおくの人々ひとびとが国外こくがいに脱出だっしゅつしたことを持ち出もちだし、プーチン大統領だいとうりょうに寄り添よりそう姿勢しせいを示しめしました。

またプーチン政権せいけんが進すすめている動員どういんをめぐり、ペスコフ報道ほうどう官かんは「確たしかに大統領だいとうりょう令れいに違反いはんする事例じれいがあった。一部いちぶの地域ちいきでは、州しゅう知事ちじがこの状況じょうきょうを修正しゅうせいするために懸命けんめいに取り組とりくんでいる」と述のべ、優先ゆうせん的てきな招集しょうしゅうの対象たいしょうではない高齢こうれい者しゃや学生がくせいも動員どういんされていると伝つたえられロシア国内こくないで不満ふまんの声こえが広ひろがる中なか、政権せいけんとして状況じょうきょうの改善かいぜんに取り組とりくむ姿勢しせいを強調きょうちょうしました。

さらにロシア独立どくりつ系けいのネットメディアが、プーチン政権せいけんが近ちかく予備よび役やくの男性だんせいを出国しゅっこく禁止きんしにする方針ほうしんだと伝つたえていることについて記者きしゃ団だんから質問しつもんされたのに対にたいし「それについて何なにも知しらない。いかなる決定けっていもこれまでのところ下くだされていない」と述のべました。さらに、ペスコフ報道ほうどう官かんは、ロシアの一部いちぶの地域ちいきに戒厳かいげん令れいを宣言せんげんするなどという報道ほうどうが出でていることについても「決定けっていは下くだされていない」としています。

ロシア外務省がいむしょうも26日にちに声明せいめいを発表はっぴょうし、モスクワにある日本にっぽん大使館たいしかんの幹部かんぶを呼よび、この外交がいこう官かんが48時間じかん以内いないにロシア国外こくがいに去さるよう通告つうこくするとともに日本にっぽん政府せいふに強つよく抗議こうぎしたとしています。

これに対にたいし、モスクワの日本にっぽん大使館たいしかんは、ウラジオストク総領事館そうりょうじかんの館員かんいんがロシア外務省がいむしょうから国外こくがい退去たいきょの要請ようせいを受け取うけとったとしたうえで「領事りょうじ官かんを拘束こうそくして取り調とりしらべを行おこなうことは『領事りょうじ官かんの身体しんたいの不可侵ふかしん』などを定さだめるウィーン条約じょうやくに明白めいはくに違反いはんするもので極きわめて遺憾いかんであり、決けっして受け入うけいれられない」などとしてロシア外務省がいむしょうに厳きびしく抗議こうぎしたとしています。

日本にっぽんとロシアの関係かんけいを巡めぐっては、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづくなか、ことし4月つきに両りょう政府せいふがそれぞれ、駐在ちゅうざいしている相手あいて国こくの外交がいこう官かんらの一部いちぶを追放ついほうする措置そちを発表はっぴょうするなど悪化あっかしています。