現地からの映像では、激しく燃える建物に向かって消防隊が放水する様子が確認できます。
住民の女性は「バンという音がして、灰色の煙が立ちこめた。階段が崩れかけていて住民たちは助け合っていた。ここには50人ほどが住んでいる」と話しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は攻撃を非難する声明をSNSに投稿し、「住民に対する非道な攻撃で、決して正当化できない。民間人への攻撃は侵略者の無力さを示している。私たちは必ず報復する」と述べています。
ウクライナ南部のクリミア半島では先週以降、駐留するロシア軍の基地や弾薬庫で爆発が相次いでいます。 8年前にクリミアを一方的に併合したロシアは、16日の弾薬庫での爆発について破壊工作を受けたとしていますが、ウクライナ政府は公式に関与を認めていません。 こうした中、CNNテレビは17日、ウクライナ政府で共有された内部報告書の内容をもとに一連の爆発についてウクライナが関与したと伝えました。 CNNによりますと、報告書でウクライナ側は、「今月9日の爆発はロシアにとって痛手だが一度きりの損失だった」とした一方、「その後の攻撃はクリミアを標的とするウクライナの組織的な軍事能力の証拠だ」と説明していると伝えています。
ドイツの大手エネルギー会社ユニパーはことし1月から6月までの上半期の決算を発表し、最終損益が120億ユーロあまり、日本円にしておよそ1兆6400億円の赤字となりました。 ロシアの政府系ガス会社「ガスプロム」から供給されるはずだった天然ガスが大幅に減らされ、不足した分を補うために価格が割高なガスを市場から購入せざるをえなかったためだとしています。 またロシアとドイツを結ぶ主要なパイプライン「ノルドストリーム」によるガスの供給はことし6月中旬以降、段階的に減らされ、現在は本来の20パーセントにとどまっている一方、市場で取り引きされるガスの価格は高値が続いていて、ユニパーは当面、厳しい経営が続くとしています。 ユニパーは、ロシアから購入した天然ガスを国内の自治体や企業に幅広く販売するガス供給の要を担っているため、ドイツ政府にとってユニパーの経営をいかに下支えするかが大きな課題になっています。
これについて国連のハク副報道官は17日の定例会見で「事務総長は農産物の輸出やザポリージャ原子力発電所の問題、現地の緊張緩和のために取り組んでおり、これらが議論の一部になるだろう」と述べ、ウクライナ情勢をめぐってさまざまな懸案について意見を交わすことになるという見通しを示しました。
ロシア側の消防当局は17日、この爆発で近くの町にあるアパート9棟と住宅およそ70棟が屋根や窓が壊れるなどの被害を受けたと明らかにしました。 またロシア側の地元議会の議長はロシアメディアに対し「このような破壊工作には当然ウクライナ政府が関わっている」と述べ、ウクライナ側が攻撃に関与したという見方を示しました。 ウクライナ政府は公式に関与を認めていませんが、ポドリャク大統領府顧問はイギリスの有力紙ガーディアンのインタビューで「われわれの戦略は補給路や弾薬庫を破壊し軍を混乱させることだ。今後2、3か月の間にさらなる攻撃が行われる可能性がある」と述べました。 クリミアをめぐっては、ロシアのプーチン大統領が「われわれの歴史的な土地だ」と主張して譲らず、前の大統領で、安全保障会議のメドベージェフ副議長は先月「クリミアへの攻撃などが起きれば、ウクライナは瞬時に破滅的な状況にさらされる」などと威嚇しています。
”クリミアで相次ぐ爆発 ウクライナが関与“ 米CNN
ロシアからの天然ガス減で大幅赤字 ドイツ大手エネルギー会社
国連 グテーレス事務総長 ウクライナ西部のリビウに到着
クリミアの爆発 ロシア側 “ウクライナ側が攻撃に関与”